マーケターズ・ロード 紺野俊介 #04

社長に直談判して取締役に就任、博報堂DYメディアパートナーズとの提携へ【前・アイレップ社長 紺野俊介】

前回の記事:
入社直後に武器になったのは、IT知識と体系化するノウハウ【前・アイレップ社長 紺野俊介】

取締役就任を直談判。そして、やると決めた2つのこと

 2003年から2005年にかけて、業界全体の成長を追い風に、売上を飛躍的に伸ばしていったアイレップですが、私たちが次のステージへと上がっていくためには、組織として抱える大きな問題を払拭する必要がありました。

 好調な売上のなかで会社全体がどうしても営業主体へと傾倒してしまい、マネジメント会議でも“自社視点”の会話が行われることが多かったのです。

 個人の評価が、売上ではなく粗利益に紐づいていたことも象徴的でした。ユーザーに価値を提供することや、顧客企業の成果を実現することを何より優先して考える風土が、まだ根づいていなかったのです。

 ともすると広告主やユーザーをないがしろにし、自社都合を優先しがちな風土に、私は反対でした。そこで2005年、営業として成果を挙げ、社内で一定の役割を果たせるようになったタイミングで、当時社長の高山さんと話をするタイミングを設けてもらいました。端的に言うと、取締役就任を直談判したのです。



 「ユーザーへの価値提供、顧客企業の成果実現という理念と、いまの会社が目指しているベクトルがずれている。軌道修正していく意思があるのか、次なる飛躍のために新たな体制・制度をつくっていくのか」

 そう高山さんに投げかけて、新たな体制に舵を切らないのであれば、私はこのタイミングでアイレップを辞めると伝えました。

 高山さんは、悩みに悩んだ末に、私をアイレップを牽引する立場に引き上げるという判断をしてくれました。ほかの取締役と序列をつけてほしいという要望も受け入れてくれ、上場直後の2007年に専務取締役に就任させる、という道すじもつくってくれました。

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