「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #03
大ヒット オーディション番組「Nizi Project」を、ビジネスパーソンにオススメする3つの理由
2.ゴール設定の基準(目線の高さ)をどこに置くかで、結果は変わる
これは「Nizi Project」終盤に突入したあたりの、韓国合宿で見られたシーンです。候補生にはプロデューサーのJ.Y.Park氏から、ひとつのルールが提示されます。それは、「13人中、個人順位が2回最下位になったら脱落する」というものです。
放映されているシーンからしかわかりませんが、メンバーのコメントから次のようなニュアンスが見受けられました。
「結果発表の時に、最下位にならなかったら良い」
もちろん出演されている当事者になると、最下位になり脱落してしまうことへの、不安な気持ちがあるのは間違いないでしょう。ただ、ビジネスでもそうですが、「ゴール設定=目線の高さ」は、結果に結びつくのではないでしょうか?
最下位にならないために練習している候補者の時間の量と質、1位を目指している候補者のそれとを比べた時に、結果は明らかに変わってくると思います。
一例ですが、ビジネスではトップを目指す時は、前回の連載のPODの開発に時間を要し、最下位を目指さない戦い方の場合は、POFのチューニングに時間をかけて負けない戦いをすることがあります。負けない戦いは時には必要ですが、それでは当然ながらトップになることはないのです。
この候補者の目線については、「Nizi Project」の仕組みを通じて、自然に上がる仕組みになっているのが、番組の上手さだと感じます。オーディションは、「世界に通じるアイドルグループ=世界に通じるパフォーマンスが出せる人材を集める」です。つまり候補生は、オーディションを通じて半年~1年で、その行動ができるように成長できないと選ばれないという基準が明確なのです。
また、自分がしていることの本質を理解しているかも差のひとつとして挙げられるかもしれません。審査のために、「歌う、踊る」だけでなく、「誰のために、何のために、どう魅せるか」を目線として持っていることの大切さも垣間見えました。
仕事も上司からのやらされ仕事ではなく、自分自身で仕事の意味を問うて、今求められていることを理解し、その中で自分にしかできないことを発揮することは非常に大切です。