「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #04
「Nizi Project」J.Y.Parkのコーチング技術に見る、人の行動が変わる瞬間
2. 相手目線でのわかりやすい言葉で伝える技術
深い愛で相手を観察した後には、分かりやすく伝えねばなりません。コミュニケーションの基本は、「伝えた」ではなく「伝わったか」どうかです。
ビジネスでよく起きるトラブルは、「私は伝えたんですが、相手が動いてくれない」です。社内外問わずに“あるあるネタ”ですが、これは伝えたという事実だけが大事ではないということが分かる例です。
なぜ、こういうことが起こるのでしょうか? それは、相手に伝わる言葉でなく、伝える側の自己満足な言葉のチョイスや、伝えるべきタイミング(相手が受け入れやすいタイミング)を間違えているからです。
「Nizi Project」で抜群のコーチングの場面をひとつあげると、東京合宿で参加者であるマコの、レベルの高いダンスを見終わった後のJ.Y.Parkのコメントです。
J.Y.Park「歌手になる準備が全てできています。体の状態もすごく良いです。体をしっかり管理しないといけないのは、こういう体になっているということです。普段はどうやって体を管理していますか?」
マコ「毎朝起きて体重を計ります」
J.Y.Park「では運動は?ストレッチ・有酸素・筋トレの中で・・・」
マコ「3つ全部しています」
一見、普通の会話に見えますが、ここにコーチングの要素が詰まっています。マコに対して愛を持って努力を賞賛し、この様子を見ている他の候補者に対してもコーチングしているのです。
これは1対1と、1対nを上手に使い分けて、タイミングよくコーチングしている例だと考えます。候補者はレベルの高いマコのようになるために、必要な努力のレベルが実感できて行動変容が起こる場面です。
また、マコはこの会話をJ.Y.Parkからの「みんなのお手本になるように」というメッセージとして受け止めて、よりリーダーシップを発揮する行動が増えたように感じます。