"Go Funny" 迷ったら面白い方を選ぶ、外資経営者のキャリア論 #02

外資系企業でもトップ10%の人材になれる、当たり前だけど、必要な「3つの能力」

 

1. 正確なコミュニケーション


 一般的に「コミュニケーション能力」と言うと、社交的でおしゃべりな人というイメージが頭に浮かぶかもしれません。しかし、「仕事ができる人のコミュニケーション」と言われると、どうでしょう?

 コミュニケーションとは、会話のキャッチボールですので、交互に言葉を交わすことになります。投げたボールがきちんと返ってくるように、皆さんも自分の質問に対して、相手からのクリアな回答を期待しているでしょう。

 自分の構えたグローブに真っ直ぐ、ビシッとボールが返ってくると嬉しくなる感覚です。私はこれまで数えきれない人と仕事をしてきましたが、正確なコミュニケーションをできる人は、実はそこまで多くはありません。

 あくまで私の感覚値ですが、こちらの期待にずれることなく、ど真ん中に返せる人が10%、5~10度ぐらいのズレはあるものの、ほぼ期待する範囲内に回答できる人が20%でしょうか。



 この「ずれることなく返答できる能力」は、必ずしも相手の質問に対して正解を返すという意味ではありません。しっかり、質問の「意図」を理解して、どういう種類の回答が必要か、判断できる能力です。

 例えば、商談において、見込み顧客である企業の担当者が営業パーソンにいくつか質問をしてきたとします。営業パーソンは、その質問の意図が不明瞭であれば、「こういう意味で、質問されましたか?」と、相手の意図を明確化するやりとりをすべきです。

 ときどき質問の意図がわからないまま、いい加減な回答をして、その場しのぎをしてしまう人がいますが、「できないなら、できない」、「改善できる可能性があれば、持ち帰ってから回答する」、「どうしても無理ならば、誠実に無理だと伝える」のが大事です。できる営業パーソンは、クライアントや見込み客の意図をしっかり汲み取ることができます。

 もちろん高度なソリューション営業では、専門知識が必要になりますが、それは後からキャッチアップしていけばいいのです。転職したばかり、あるいは就職したばかりの人でも、ある程度の期間が経てば、身に付けられます。

 そういう意味では、私は採用において、同業の営業経験がどんなに長い人でも、こうした質問への受け答えに正確性がない人は選びませんでした。正確にコミュニケーションできる人の方が、長期的な視点で貢献してくれることが多いからです。

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