「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #07

ファンの価値は、どう計測できるのか【コミュニティマーケティングを成功に導く十カ条】

 

⑦施策を実行する上での役割、体制、予算はどうするか?


 KPIを決めたら、あとはプロジェクトマネージャーとして実行する体制を決めるフェーズです。自分ひとりで戦略策定から実行までを担うケースもあると思います。

 チームの人数を最初から大規模にする必要はありません。大切なのは、まずリーダーに共感をするメンバーを集めることです。

 そもそもコミュニティマーケティングの基本は、オンライン、オフラインに関わらずお客さまに対して「心地いい接客」ができるかどうかです。すなわち、「やらされた仕事」では、その心がお客さまに透けて見えてしまいます。メンバーが接客が楽しいというマインドを持っていることが、何よりも大事です。



 私がコミュニティマーケティングを始めた当初、一緒に取り組んだメンバーは、接客レベルが高い某焼肉店で接客技術を磨いていた人でした。こういうメンバーは、お客さまの細かい要望に気づく力を持っており、オンライン、オフライン問わず、ファンになってもらえる確率が上がります。

 また、予算の確保も重要でしょう。ただし、オフラインで会場を借りない限り、無料でできることも多いため、「お金を使わず、頭を使う」が大前提です。
 

⑧施策の良し悪し(悪い場合の撤退)判断軸はどうするか?


 コミュニティマーケティングを社内で進められない理由として、よくあるのは良し悪しの判断軸が関係者で揃っていないことです。

 まずは施策の判断軸を決めましょう。KPIが達成していれば、継続でいいのですが、達成しない場合はどうするのかを決めておく必要があります。この部分を明確化せずに施策を進めていると、突如上司からのチェックが入り、本当にやりたかったことができなくなる可能性もあります。

 ポイントとしては、コミュニティマーケティングは半年から1年くらい、結果が出るまでに時間がかかると思った方が良いと思います。

 皆さんも想像してください。好きな異性ができた場合、一目惚れすることもあるかと思いますが、ほとんどの場合は、徐々に好きになっていくでしょう。商品購入も同様に、富裕層を除けば、長期間にわたってコンスタントに商品を購入していくケースが大半です。

 すなわちマーケティング指標のひとつであるLTVで考える際は、1カ月など短期ではなく、長期的に数値をシミュレーションすることが大切です。

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