"Go Funny" 迷ったら面白い方を選ぶ、外資経営者のキャリア論 #03

社長経験者が明かす、外資系企業の報酬とリストラの関係

 

リストラされるのは、どんなケースか?


 外資系企業において、営業パーソンは通常四半期ごとにパフォーマンスを評価され、それに伴い、インセンティブを受け取ります。

 そして、そのパフォーマンスが極めて悪い場合、リストラされる危険性が高まりますが、四半期1回だけ到達できなかっただけで、クビになるわけではありません。

 私の経験上、会社の業績が悪化している場合を除き、個人成績は1勝1敗を続けていれば、そうしたリスクはほぼ回避できると思われます。

 四半期において2回連続で未達成になると黄色信号が点灯し、3回連続未達成となった場合に、業績改善プログラム「PIP(Performance Improvement Program)」が発動するというケースが多いと思います。

 PIPとは、パフォーマンスが低いスタッフに対して、そのパフォーマンスを改善させるために特別に組まれるプログラムですが、実質はリストラ前の警告として使われることが多いようです。

 外資系企業とはいえ、あくまで日本の労働法規に従わなければいけないので、そこまで強引な解雇はできません。ただ、PIPが発動されると、社内に居場所がなくなってしまい、退職を選択する人が多いように思います。

 また、外資系だから必ずPIPがあるというわけではなく、ない会社もあります。


 

外資系企業に向いている人材とは?


 ここまで、報酬とリストラの相関関係について述べてきました。では、どういう人が外資系企業に向いているのでしょうか?

 高い報酬に目がくらんで、安易に足を踏み入れるのはおすすめしません。特に外資ベンチャーの場合、営業としての実力があり、数字を追いかけるハンター的なメンタルを持った人しか生き残れません。

 もう少し腰をすえて、長期的に着実にキャリアを積みたいという人であれば、日本での歴史を持ち、日本支社としても大企業レベルになっている外資系企業をおすすめします。

 一方、バックオフィス系は、営業ほどリストラのリスクを心配する必要がないように思います。そこでの高い報酬は、英語などのグローバル対応スキルへのプレミアムと考えても良いでしょう。

 人それぞれリスクへの選好度が違うため、一概に「これが正しい」とは言えませんが、外資系企業で働くことを検討される際は、こうしたリスクと報酬の相関関係を考慮してみては、いかがでしょうか。
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