「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #08

インディーズバンドの法則。コアなファンを大事にすることを忘れてはいけない

 

2. ニーズに合わせたコミュニティの仕掛け


 コミュニティと一言で言っても、そこで話される会話は多岐に渡ります。

 例えば、次の図が例なのですが、ゲームアプリを運営している当社の場合、ゲームのファンと言っても「好き」の方向が違うことを理解しておく必要があります。



 コミュニティマネージャーは、その上でストーリー好きのコミュニティには、次回アップデートするストーリーのネタバレを仕掛けたり、デザインが好きなコミュニティには登場予定のキャラクターを一緒に考えたりしても良いかもしれません。SNSでは話題ごとにハッシュタグを使い分けるのは欠かせません。

 コミュニティごとに合致する話題を定期的に提供し、さらに運営への意見をもらえる関係性をつくれれば理想的です。そうするとコミュニティに入っている方は、お願いしなくても「自分が関わっていて、愛のあるサービスだ」と宣伝していただけます。

 これはただの広告ではなく、ファンがファンを呼んでくるというシステムです。運営側ができることは、ファンと信頼関係をつくり、会話のきっかけをつくり、コミュニティが自走し続ける仕組みを戦略的につくることです。これがコミュニティマネージャーの仕事です。
 

3. 結果だけを共有せずに、過程は全て公開する


 コアなコミュニティでは、運営側と一緒になって商品やサービスの未来を考えてくれるお客さまがいらっしゃいます。こうしたお客さまは、新規のサービスが期待から外れていると、せっかく築き上げた信頼関係が崩壊しかねないケースがあります。

 こうならないためにも、サービスや商品をリリースするという結果のコミュニケーションだけではなく、リリース前から丁寧に制作過程をオープンにしたり、つくり手側の気持ちや想い、意義を伝えたりするのが何よりも大切です。

 数多あるD2Cブランドでも、売れているブランドとそうでないブランドの差は、ブランドの社会的意義や製作者の想い・ビジョンなど実現したい世界観を語ることにより、お客さまから見ても「買う理由」「買い続ける理由」が生まれている点にあるのではないかと思います。

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