"Go Funny" 迷ったら面白い方を選ぶ、外資経営者のキャリア論 #04
突然、自分の勤める会社が買収(M&A)された時に必要な心構えについて
短期ではなく、長期的な視点で考えよう
一般的には、買収される側の人間は、反発する気持ちを抑え、できるだけ買収元に協力する姿勢を見せるべきです。
買収する側は、反抗的な人よりも協力的な人を長期的に重用するからです。そして運が悪いと反抗的な人は、私のようにそのままリストラ対象になってしまいます。
一方、PMIではさまざまな苦労を味わい、ときに不条理な指令を受けることがあります。私は今となれば反抗的な態度をとったことを反省していますが、不条理な指令に対して抵抗したことは後悔していません。仲間や部下のために体を張っていたことを実は彼らも認めてくれていて、本当の信頼を築くことができたからです。
当時、私の行動を見ていた同僚が、後々困った時に何度も助けてくれましたし、彼らの縁でつながったメンバーと10年以上も一緒に仕事をしています。
さらに、マクロメディアを解雇された時にも、買収元に対して正論をぶつける私を気にかけてくれていた前日本法人代表が、救いの手を差し伸べるように普通では会えないトップ人材を扱う外資系サーチファームをいくつも紹介してくれました。また、数年後、私が急遽社長を退任する際も、私の後任が見つかるまでの代表を臨時で引き受けていただくなど、ずっとお世話になっています。
短期的には筋を曲げた方が安全だったかもしれませんが、長期的には仲間からの信頼というとても大事なものを手に入れられたと思っております。