「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #09

マーケティングの最先端を行く、コロナ禍で生まれた「劇団ノーミーツ」

 

ファンの声に目を通す運営


 劇の出演者が打ち上げ動画やカーテンコールなどで言っていますが、彼らはお客さまのチャットやTwitterなど、全てに目を通しているそうです。これは言うだけなら簡単ですが、クオリティを見る限り、きちんと声を聞いて演劇に魂を込めている姿勢はすぐにわかります。

 また、第3回目からカーテンコール時に、LINE OpenChatやTwitterへの導線を設置しているあたりも、お客さまとの一体感づくりの上では重要だと思っています。



 単純にオンライン演劇を最後までやり切るというある種の「機能的価値」はひょっとしたらノーミーツ以外でも真似できるかもしれません。しかし、Twitterで色々なショート動画をアップしてお客さんの反応を見ていたり、顧客の声を聞こうとする姿勢には心が動くものがあり、簡単にコピーできない「情緒的価値」にも該当するのではないでしょうか。

 例えると、「モテる人のしていることを真似ても、モテない」のと一緒で、モテるようになるのにはストーリーがセットされているのが必然です。劇団ノーミーツはコロナ禍のオンライン演劇をリードしているというストーリーがあります。これは単純に他の劇団が後追いできない点です。

 マーケティングがストーリーから生み出す共感が大切だと言われ続けていますが、ファンの声を聞いてコンテンツに反映させるストーリー、コロナ禍の顧客変化に対応したというストーリー、これらをやってのけるノーミーツにオンライン演劇の未来を感じました。

 現時点(1月上旬)では、次回公演は未定ではありますが、ご興味がある方は次回の公演をぜひ見てください。きっと自社のマーケティングを進めていく上でのヒントがあるかもしれません。
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