"Go Funny" 迷ったら面白い方を選ぶ、外資経営者のキャリア論 #05

優秀な求職者が、採用面接で犯しがちな失敗とは?

 

終了後の「結果」について気にしていない理由


 冒頭の、彼の話に戻ります。彼の仕事は、M&Aの契約締結で終了したということでした。それで、その後に「そのクライアントの事業が、どうなったのか?」という質問をしたところ、彼は答えることができませんでした。

 たしかにコンサルタントの仕事であれば、そこまでは関知しないでしょうし、基本的にM&A後はクライアントの責任範囲となるので、「その後は、知らない」という返事はよくあることです。

 とはいえ、自分の仕事がその後、どういうふうにその会社や事業の役に立ったのかを気にしていないという姿勢は、私には大きな問題と感じられました。
 

仕事に対する強い思いを持っているか?


 仕事上に生じた大きな壁をどう乗り越えたか以外にも、大事なことがあります。それは自分の手がけた仕事に対する思い入れです。どれくらい真剣に仕事に取り組んでいたかは、その仕事への思いにあらわれます。

 自分の担当範囲が終わった後、その仕事が成功したのか、失敗したのかを全く知らないというのは、本当にその仕事に全身全霊を傾けていたのでしょうか。

 自分の生活の過半の時間を費やした仕事であれば、ある意味、自分の子どものように思ってしまうものです。子どもが独立した後、何をやっているか全く知らないという親は少ないと思います。

 私は真剣に取り組んだ仕事、事業はずっと気にかけていますし、その事業が自分の手を離れた後も成長したり、さらなる成功を収めていたりすると大変嬉しく思います。

 自分が担当しなくなったとしても、本当にいいモノにしようと努力していたのなら、その後、それがどう役に立ったのかを知りたくなるものです。だからこそ、私はその人が担当しなくなった後、その仕事がどうなったかという質問をしたのです。



 「仕事だからとりあえずやっている」という人は、早く終わらせることだけを目的にしていて、それがどう世の中の役に立っているかを気にしないことが多いのです。

 どんな仕事も、誰かのため、もしくは何かの役に立っているから、その対価をもらえるのだと私は思っています。もし役に立っていないなら対価をもらうことに後ろめたい気持ちを抱いてしまうでしょう。何かに貢献したいという気持ちを持っているかは、アウトプットが結果的に良かったか悪かったかにかかわらず、とても大事なことであり、一流のビジネスパーソンになるための必須条件であると私は考えています。
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