「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #10前編

Clubhouseは、なぜ人気? 魅力を「体験」軸から考えてみた

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マーケティングの最先端を行く、コロナ禍で生まれた「劇団ノーミーツ」
 

リリース当初は、体験こそが鍵になる


 まずAndroidユーザーの皆さま、ごめんなさい。もう「Clubhouse」という文字を見るだけで、うんざりする人も多いかもしれません。

 スマートフォンのOSは、iOSとAndroidに分かれており、日本のシェアは約半々です。しかし現状、ClubhouseはiOSでしか使えないので、盛り上がりに疎外感を感じている人も多いでしょう。



 世界では200万人以上が利用し、日本でも1月末からアーリーアダプター層で盛り上がりを見せました。2月にはテレビ番組にも取り上げられ、さらなる広がりを見せています。

 本来、こうした記事は1月末など早めに執筆するほうが、いわゆる先行者メリット的な観点では良かったかもしれません。ただ、あえて盛り上がりから2週間程度経った現在のほうが見えてくる世界もあるかもしれないと思い、このタイミングで書くことにしました。

 Agenda noteは、マーケティングの専門メディアなので、読者もClubhouseを使ってどういうマーケティングやマネタイズができるのか?あるいは、企業や個人のマーケティングに活かすためには、サービスとしてどういう発展が必要なのか?という議論に関心を寄せているでしょう。このアプリを通じて、将来のビジネスを考えている人も多そうです。

 ただし、ここで考えたいのは、リリース初期のサービスはいかに体験をよくするかが大切だということです。何でもかんでも商売に結びつけてしまうと、サービスがどうすれば「儲かる」という議論だけになってしまい、最終的にはつまらないものになってしまいがちです。「楽しいこと=儲かる」という構図にならないのです。

 企業がサービスを運営する上では、もちろん利益が出なければ継続できないのですが、ユーザーとして楽しめる場があって初めて、「儲かる or 儲からない」という議論になります。また一方で、日本ではこうした新しいアプリ上で起きる詐欺など、犯罪に使われるリスクを警鐘する記事も多く出ています。

 そこで今回は、なぜClubhouseがこれだけ多くのユーザーを短期間で集めることができたのか、その魅力について「体験」という軸から考えていきたいと思います。

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