「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #10前編

Clubhouseは、なぜ人気? 魅力を「体験」軸から考えてみた

 

3.「自分自身」の発見


 「Clubhouse」では、モデレーター、スピーカー、リスナーの3つに役割が分かれます。モデレーターは、スピーカーに均等に話を振りつつ、議論を広げたり、畳んだり、場をコントロールする人です。スピーカーは、議題について話す人で、リスナーは聴く人という役割です。



 日本での盛り上がりから3週間ほど経ち、散見されるのはモデレーター側の問題です。誰でも気軽に議論に参加できるという一方で、スピーカーが10人以上になりトークの収集がつかなくなっているルームがあります。これはモデレーターが自分の許容をわかってないということに尽きます。自分が場を回せるのは、3人なのか10人なのかキャパシティがわかっていないと崩壊気味になります。

 合コンもそうですよね。2対2であれば何とかなるけれど、6対6になると技術がいるのと同じでしょう。今後は、Clubhouseのプロモデレーターのような人が増える可能性を感じます。

 ひとつ例を上げると、明石家さんまさんのテレビ番組を想像してください。さんまさんは、プロのモデレーターです。芸能人や文化人を10人くらい招いて、自分が進行役をしながら、話を振って場を盛り上げます。また、100人の一般人とのトークでも回す技術があります。モデレーターが話しすぎるとスピーカーが話せなくなるという面もありますが、それでも番組が成立するのは、さんまさんの空気づくりの凄さだと思います。

 また、モデレーターではなく、スピーカーでも「話をする人」「聞く人」「コントロールする人」の3種類に分かれます。話をする人は、サクッと30秒以内で簡潔に、聴く人は適度な相槌を打ったり、マイクを連打して拍手っぽく見せる技を使ったり、話が長い人や議題から話がそれた時に制御する人など役割があります。自分がスピーカーになったら、どのタイプが向いているのか理解した上で参加するのがオススメです。

 少し高度ですが、その場に足りない役割を探しても良いかもしれません。また、スピーカーはあえて自己主張しないことで、場がかえってもり上がる場合もあるので、実は話す力よりも“聴く力”が大切だと思います。会話のキャッチボールがそれたら、きちんとボールを捕球するようなキャチャー能力が、モデレーターには求められています。

 今回は長くなったので、前半と後半の二部構成にし、後半はフォロワー至上主義や価値ある雑談、コラボレーションについて触れていきます。

 ※後編に続く

 
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