「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 ##10後編

Clubhouseの功績は、数多の「価値ある雑談」を生んだこと

前回の記事:
Clubhouseは、なぜ人気? 魅力を「体験」軸から考えてみた
 

Clubhouseの魅力とは何なのか?


(「Clubhouse」の魅力について6つの視点でお伝えします。後編は4からです。前編は、こちら

■4.「価値のある雑談」の発見

 全世界がコロナ禍になって、1年が経過しました。

 人と会えなくなったり、オンラインでビジネスのミーティングをしたり、ここ1年で色々な行為が制限された人が多いと思います。元来、会って雑談するのが得意な人は、オンラインの距離ができた中で雑談することの難易度の高さを、この1年で実感された方も多いのではないでしょうか?

 そこにきて、心地良いUIを持つ「Clubhouse」のリリースで雑談が増えたと思っています。ときには憧れの芸能人や著名人と一緒にディスカッションができることもします。情報は玉石混交なので、自分自身での取捨選択が必要ですが、ビジネスはカジュアルな雑談から生まれることもあります。

 私が考えるClubhouseの価値は、一次情報の人と二次情報の人がひとつの空間にいることです。会社に例えて、考えてみましょう。登場人物は部長、マネージャー、メンバーです。




 部長の持っている決定事項の情報をマネージャーに伝えます。これを一次情報と呼びます。マネージャーはメンバーに伝えます。これは人を介している二次情報です。

 その結果、部長の指示した内容がメンバーに100%伝わってないことがあります。二次情報は、発信者のなんらかの解釈が入って伝えられることが世の常です。この記事も私の解釈なので、この解釈を読んだ人が100%の温度感で伝えることは、ほぼ不可能です。

 そこで、今のClubhouseは業界にもよりますが、一次情報の人、二次情報の人が一堂に集まっていることがよくあります。流行に敏感なエンタメ系コンテンツのTV局、ラジオ局、出版社の人は、部長レベルから現場レベルの方が活発に議論されているのを見かけます。

 普段は会社で話しかけられない部長に、現場の人が話しかけて意思疎通が取れることがあります。これはコミュニケーションにおいて非常に重要で、一堂に集まって話すことにより、トークの価値が一気に上がります。関係者が増えるほどズレが生じ、役職者は現場のことに疎くなり、現場は上の気持ちがわからない状態ができあがってしまうこともあります。

 それが社外、社内、お客さまなど会話でコラボレーションできて、様々なステークホルダーが集まって一次情報で話ができると、それを聞いている人もズレなく把握できるようになる。これはコロナ禍ならではの雑談の価値です。

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