「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 ##10後編

Clubhouseの功績は、数多の「価値ある雑談」を生んだこと

 

5.フォロワー数だけではない「コミュニティ」の発見


 ClubhouseにはTwitterのように、フォロワーとフォローの数値が表示されています。その1つが、1Kという指標です。これはClubhouse上でフォロワーが1000人を超えると、1Kという表記に変わります。フォロワーが増えれば増えるほど、かっこいいという風潮がありますが、基本的には数より質のほうが大切です。増やすより選ぶという考え方です。
 
 フォロワー論調でいうと、ひとつが“無音部屋”なる独特な文化が日本では発生しています。これは何かと言うと、Clubhouse自体は話すことが目的のアプリなのに、話さずにフォロワーを増やしたい人が、相互にフォローしあうというもので、昨今の問題になっております。



 私も自分で実験として体験した方が良いと思い、過去に参加したこともありましたが、実際にはフォローはほぼ増えません。また新たにClubhouseを使い始めた方が最初に無音部屋に遭遇して面白さを理解する前に離脱してしまうケースも起こります。

 フォロワーを増やしたいというのは、人それぞれの価値観であり否定されるものではありません。ですが、数を増やす行為の前になぜあなたはフォロワーを増やしたいのかを考えるのが先決です。

 Twitterと違って、無言部屋でいくらフォロワーを増やしても、結局発信するときは自分の言葉で発信せねばなりません。今はまだアーリーアダプターの段階で、日本人の一部しかアプリをやっていない状況ですから、最終的な発信を目的にされる人は少人数でも良いので、フォロワーを増やすためにも話すことを優先すると良いと思います。聴く専門の人であれば、無理にフォロワーを増やす必要は良いでしょう。

  広くフォロワーを増やすことにとらわれるのではなく、深く狭いコミュニティをつくっていくことで、逆に口コミで広がりやすくなることがあるので、まずはスモールコミュニティで楽しさを見出すのもひとつではないでしょうか。熱く深く何かを語れる人って、本当に魅力的です。  
 
 こういうフォロワー論議があるので、極論ですが他人から見えるフォロワー数の表示を消して、本人にのみフォロワー数が見える仕組みで、純粋に自分のトークに惹かれた人がフォローしてくれる過程を楽しむくらいで良いのかなとも思います。数に囚われずに、自分の話したい人と、話したいことを話せば良いと思っています。

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