"Go Funny" 迷ったら面白い方を選ぶ、外資経営者のキャリア論 #06

転職で成功する職務経歴書と志望動機とは?

 

志望動機ではなく志望理由であることがほとんど


 英文レジュメは応募の際のカバーレターに志望動機を書くことになりますが、これは日本語の職務経歴書でも一般的です。

 自分は何がしたいのか、指向する会社像、目指すキャリアパスなどの転職軸が明確で、求人企業のカルチャー、ポジション、仕事がたまたま合致しているならば、それが志望動機で結構ですが、実はそういうパターンはあまり多くありません。

 あるきっかけで、その企業に興味を持ったとしても、最初からその会社に是が非でも入りたいと思うわけではなく、応募してその企業の面接を受けているうちにその会社が徐々に好きになる人が大多数だと思います。

 外見で人を好きになるのではなく、その人とある程度の時間を過ごして、その内面を知るうちに本当に好きになるのと同じプロセスをたどるのが自然ではないでしょうか。



 選考が進むうちにその会社を好きになる理由が徐々に分かりますので、それは志望動機ではなく、志望理由といった方がよいかもしれません。ですから、私は志望動機は、無理やり最初から職務経歴書に書く必要はないと考えております。

 しかしながら、最終面接において、これで乗り切れない場合がたまにあります。創業社長によくあるパターンですが、その事業に対する共感を要求されるのです。それは経営側の視点に立つと、仕事で行き詰まった時に、事業に対する思い入れが強いほうがそれを乗り越えやすいと思っているからです。

 そういう面も確かにあるとは思いますが、私は仕事をどう完遂させるかは人それぞれの理由があると思っています。もちろん事業への思い入れもそのひとつですが、職業人としての責任感やプライドなどでも、バネになると思います。

 たとえ会社や事業内容に強い共感がなかったとしても、何かに共感しているからその会社に入社しようと思うわけで、それは得てして直属の上司になる人や経営陣に共感しているからではないでしょうか。

 そうであれば、最終面接で志望する理由を聞かれたならば、「あなたと働きたい」と答えればいいと思います。

 これまでの経験や実績をドライに重視して候補者を選別していると思われている外資系企業でも、最終的な判断では、そうした共感性で決定することも少なくありません。

 実際、私がある外資系企業の最初の日本代表として選考を通過したのは、CEOが最初に”He is the guy(探していていたのはヤツだ)”と思ったのが、 一番大きなファクターだったと後から聞かされました。一方で、”He is not the guy”と思われたパターンも多く経験しております(笑)。

 転職するには志望する理由は必要です。しかしそれは最初から必要なのではなく、選考の過程で、自然と芽生えたり、気づくものだと私は思います。

 こうした点に留意することで、皆さまの転職活動がうまくいくことを願っています。
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