「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #11前編
部下を伸ばす「良い1on1」と、伸ばせない「ダメな1on1」
2021/04/13
② マニュアルよりも、個別化
マネージャー(上司)は、多い人であれば週に10人以上のメンバーと1on1している人もいるでしょう。中には、「部下をマネジメントする方法」といった書籍を読んで、マニュアルに頼ることも出てくるかもしれません。
もちろんマニュアルを参考にしてもいいと思います。ただし、受験で参考書を読んでいれば、目指している志望校に必ず合格するわけではないのと同じです。道具は使いこなす人の腕が全てです。
目の前のメンバーは“生きている人”であり、言わば“生モノ”なので取り扱いの仕方で腐ったりするし、美味しく味を引き出すことも可能です。
ポイントの①でも書きましたが、相手によって目的を柔軟に変えるのも、マネージャーの仕事です。当然メンバーによっては、話を聞いて欲しいだけの人もいますし、マイクロマネジメントをしてほしい人もいれば、キャリアの積み上げに悩んでいる人もいます。相手が求めているものを叶えつつ、上司側が導きたい方向に話を持っていくというバランス感覚が求められます。
マネージャーはボランティアでしているわけではなく、最終的にはメンバーに成果をあげてもらうために1on1をしています。信頼関係を築いて、メンバーの潜在能力をいかに引き出すかが大事なのです。そのためにはマニュアルに書いてあるような一問一答集でメンバーを攻略できた気にならず、質問の一つひとつで相手のリアクションや声質の変化に神経を研ぎ澄ますことが求められます。そうしてマネージャーはメンバーの成果を上げること、給料を上げることをコミットできるのが良いマネージャーです。
効果的な1on1をスタートするには、メンバーがマネージャーに求めるもの、そしてマネージャーがメンバーに求めるもののすり合わせが必要です。そのためには、まずはマネージャーから自己開示をすることを意識したいです。