Droga5 Tokyo #02

Droga5 CCO 浅井雅也氏「本質」を見極めてブランド変革を起こす

 

「本質」を見極めてブランド変革を起こす

――表面に見えるものだけでなく、社内でパーパス自体が浸透しないとブレが生じ、一貫性がなくなるんですね。

 一見ブランドとは関係ないように感じても、社員教育マニュアルの改訂など、生活者の目に入らないところまでブランドパーパスに基づいたアクションを作ることで一貫性が生まれます。これによって、パーパスを軸とした顧客体験を提供でき、結果的にブランドを強くすることができます。

一貫性という考えは、完璧さを求めるカルチャーや所作を持つ日本には、マッチする考え方だと思います。

――浅井さんがこれから目指すブランド体験の変化に、どのような想いを込められていますか。

 ブランド体験は、単に映像を見てイメージを持ってもらうだけではありません。例えば新型コロナウイルスの感染拡大で、小売店では実店舗での顧客との接点が減っている。買い物体験がどう変わるのかを考える必要があります。

オンラインショッピングは便利ですが、どのような体験が追加されたらより良くなるか、生活者が買い物体験に求めている「本質」は何か、何気なく実施していることでも、このタイミングで見直していくことが大切だと思います。

本当に必要だと思えるものをどれだけつくっているか、「本質的」という言葉が、いまの自分の中でホットワードです。

ブランドや企業によって規模は異なりますが、ミッションや伝えなければいけないことを明確にして、良いアウトプットができれば、企業にも生活者にも共感を得ることができます。

ブランドを変えるために、必ずしもいまのブランドを壊してつくり直す必要はありません。いまのブランドをより良くするために何を追加するか、何が不要かを明確にしていく、つまり「本質」を見つめ直していけばいいと思います。

ブランド変革に必要なのは、一度色々なものを見直していくことです。そして、エージェンシーも企業側も覚悟を決めること。やるからには一貫したものをつくる、やらなければいけないというコミットが大事です。

お互いのコミットメント、約束をまっとうしながらコミュニケーションをとって進めていく。たとえアクションがすぐに成果に繋がらなくても、中長期的にパートナーとして歩んでいくことが重要です。

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