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ドラクエ的マーケターキャリア調合術 ― スキルセット×マインドセット、それとちょっぴりの「運」 #02

キャリアアップしたいマーケターが、「転職」を考える前にやるべき2つのこと

「フレームワーク」と「事例」は身を助く


 外部環境に依存せずとも、自ら効率的に習得できる知識や経験がもうひとつあります。それは、インターネットや書籍、セミナーなどの外部知識です。

 書籍やインターネットから得られる知識やノウハウ、そしてその活用方法については、皆さんもさまざまな考え方や実践方法をお持ちでしょう。書籍など、結局は一般的なことにしか触れておらず役に立たない。あくまで当事者のケースであって、他に活用することはできない。すでに一般化された過去の知識など、未来には無用だ――そうした考え方をお持ちの方もいらっしゃると思いますし、それが間違っているとも思いません。
 
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 置かれたステージにもよりますし、スキルセットの獲得状況にもよるので一概には言えませんが、獲得すべき知識を効率的に得るという意味で、外部から入手できるソースはとても重要です。そして、マーケティング業務に活用できるという意味で私が特にお勧めしたい外部知識は、「フレームワーク」と「事例(ケーススタディ)」です。

 マーケティングの課題解決のためにはさまざまな視点や手法がありますが、マーケターたちが置かれる環境はどれも似通っていることが多いと思われます。リソース(時間や費用、情報)は限られており、達成しなければならないゴール(売上や目標)は明確でありながら、その手段は膨大にも見える。何をどう選んで課題を解決するか。社内外の調整も含めて、責任者は非常に効率的な解決策を求められます。

 こうした立場に置かれたプロフェッショナルのマーケターが活用できるのが、フレームワークとケーススタディなのです。ターゲットとアプローチ手法、コミュニケーション、プロダクトの価値と競合分析、マーケティングプロセスの考え方、タッチポイントやメディア、顧客価値など、先人たちのフレームワークを覚えて活用することは、「追い込まれた状況でも必ずヒット(四球または死球もアリ)を打って、少なくとも1塁には出る」ことを助けてくれます。

 また、さまざまな業界の事例をできるだけ多く知っておくことは、今後多様な挑戦や課題を目の前にしたときに、「あのアプローチが活用できるのではないか」という自らの“バーチャル”スキルセットとして有効活用できます。
 

アウトプットとセットで行うインプットこそ有効


 外部ソースを活用した知識や経験の獲得にあたって、大事なことがひとつあります。日々の鍛錬とトレーニングです。シンプルに言えば、インプットとアウトプットをセットにして必ず毎日行う、といったところでしょうか。

 知識はインプットだけでなくアウトプットを必ず行った上で、自らの知識として頭の中の引き出しにしまっておきます。具体的に私自身が行っていたのは、習得した知識や情報を自分なりに構造化(要は「3行でまとめ」)し、Tumblr(当時)とTwitter、Facebookを連携させて自分用のメモとしてまとめていました。

 まとめることで一度自分の中で消化することができますし、「#クリエイティブ」「#デジタル」などのメモとして残すことで、後々課題に直面した際に検索して自らの「ネタ帳」として活用するデータベースにもなります。また、私は当時そこまで積極的ではありませんでしたが、外部SNSと連携することでネットワーキングに活用することもできるでしょう。


 「旅」に出る前に、目の前の課題や内部環境など、今すぐ活用できるものを効率的に活用する意識を持つこと。かつ日々の鍛錬として習慣化して反復すること。それが、将来または直近のキャリア形成にとても役立つのです。

 自分に足りないものは、すなわち自分が知りたいこと・身につけたいこと。さまざまな機会を捉えてインプットとアウトプットを繰り返すことが、後々振り返ってみたときに、大きな違いを生んできます。
 

(脚注)
“ドラクエ” ©ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

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