人生100年時代により変わるビジネス人生の設計 #01
人生100年時代によって変わる、ビジネス人生の設計【デジタルシフトウェーブ 鈴木康弘】
個人の人生設計が確実に変わる
戦後、多くの日本企業が人口増を前提とした終身雇用制度を採用してきました。人口増が前提の場合、雇用主と労働者の信頼を構築し、長期的視点で育成できることは、当時は大変なメリットをもたらしました。しかし、戦後は人口が増え続けましたが、生産年齢人口(主に15歳~65歳までの生産活動に従事している人口)は1995年の8726万人をピークに減少に転じました。生産年齢人口の減少により、消費が減少し不況になりました。
バブル景気が弾けた後、追い打ちをかけるように生産年齢人口が減少に転じ、90年代中盤にリストラという現象で現れたのです。この時点で既に「終身雇用制度」は崩れ始めていました。しかし、労働者は会社を信じ、頑張ってきたのです(今も信じている人がいますが)。
90年後半から、グローバル化の波が押し寄せ、インターネットの登場によりデジタル化時代へと突入しました。この20年は世界的な大変革に引っ張られるように、日本経済は何とか維持できているという状態で、根本の問題はいまだ解決されていないように思います。
「人生100年時代」に話を戻します。ひと昔前は60歳を超えると「老人」と呼ばれていました。イメージでいうと縁側で日向ぼっこをしながらお茶を飲んでいるおじいちゃん、おばあちゃんの姿です。
しかし、現在はどうでしょう。70歳代の方でもアクティブで、中には仕事をバリバリとしている方もいます。もはや70歳代の方々を「老人」とは呼べない時代となりました。おそらく、日本の年金制度は近い将来、その受給年齢が引き上げられ、支給額も減ることになるでしょう。
今の現役世代が歳をとるころには、受給年齢は80歳となり、支給額も今ほどではなくなっている可能性が高いと思います。80歳まで働き、十分な蓄えをして引退するのが当たり前の時代になっているかもしれません。
そんな将来をイメージしたときに、個人の人生設計は確実に変わります。今の現役世代は、最優先に考えなくてはいけない課題です。
今回の連載では、この答えを次回以降に探していければと思っています。
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