「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #13

DeNA今西流「副業」が自然と舞い込む人材になる3つのポイント

 

2.求められるマインド・スキル




 副業は、自分自身の経験と能力が評価され「即戦力」という前提でオファーが来ます。例えば、私が副業でケーキ屋さんのパティシエをしたい場合、ケーキをつくったことがなければ、当然オファーは来ません。私のつくったケーキが人気を集めていた場合に限り、オファーが来るでしょう。大前提として「経験している、かつ得意であること」に対して、副業のオファーが来るのです。

 ここで大切なのは、その副業で自分自身のスキルをアップデートし続けられるのかという視点です。「スキルの切り売り」という表現がありますが、副業先はあくまでも現状の経験と能力、そしてそれによる成果に対して報酬を払うため、その人の成長が見られなければ、副業先の満足度は徐々に低下していきます。

 また、スキルの切り売りでお金をもらってしまうと、その時点の自分自身に満足し、勘違いを引き起こして、ビジネスパーソンとしての成長が鈍化してしまうことがあります。そうした状況にならないためには、謙虚に勉強し続けて、たとえ副業先で情報格差がある人にも「教えるというスタンス」ではなく、「一緒にビジネスをつくって伴走し、自分自身も成果に向き合い常に勉強に励むというスタンス」が必須です。

 一方で本業は、年次にもよるのですが、入社して間もない社員の報酬は「経験+今後の伸びしろ」に支払われるので、本業で自分のスキルをしっかりと世の中から求められる水準に昇華させた状態に達してから、副業を始めることが大切です。

 次からは、マーケティングの業務に当てはめて考えてみましょう。必要になるスキルを「OS」と「アプリケーション」という概念で説明します。パソコンで言うと、OSはWindowsで、アプリケーションはExcelやWordだと考えてください。

 OSは、リーダーシップや戦略構築力、コミット力、関係性構築など、マーケティングという仕事に限らず普遍的に求められるスキルです。一方で、アプリケーションは、SNSやLPOなどの「HOW」であり、時代によって求められるものが変わります。もっと言えば、代えが効きやすいスキルです。例えば、デジタルマーケティングに従事している人は日本にも数万人いると言われていますが、必ず代わりの人がいると思っています。
 


 

 ビジネスパーソンは、OSの磨き上げが必須です。アプリケーションは、極端な話、勉強すれば何とかなります。一方で、OSがガタガタな状態で、無理にアプリケーションだけを磨き込むと、どこかのタイミングで壁に当たります。マーケターは俯瞰で物事を見ることも必要であり、1つのアプリケーションを追求しすぎると俯瞰力がなくなってしまうことがあります。複数のアプリケーションに従事することにより、別のアプリケーションの強みを活かせることもあるので、OSとアプリケーションのバランスは非常に重要です。マーケターはマーケティングだけをやるのではなく、ビジネスをグロースさせることは何でもやるべきです。

 アプリケーションとしてのスキルを研ぎ澄ますことが大切ですが、それだけではオンリーワンにはなれないことも多いため、「OS×アプリ×業界の掛け合わせ」が人材価値になるという視点を考えておきたいものです。

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