マーケターズ・ロード 鈴木康弘 #06

鈴木敏文、孫正義、井上雅博、北尾吉孝 - 恩師から教わったこと、これからの人に伝えたいこと【デジタルシフトウェーブ 鈴木康弘】

自分と関わった人の中に“イズム”を残したい

 多くの人と出会い、一緒に仕事をしてきました。恩人と呼べる人にも出会えましたし、仲間と呼べる人にも、正直あまり付き合いたくない人にも出会いました。そして年齢も50歳を過ぎ、自分自身がどのような人間かも分かってきたような気がしています。

 組織に所属して、誰かに“使われる”のはあまり好きではないと身をもって実感していますから、ある程度の自由が利く社長が、僕の性には合っていると思います。大きな組織に所属しなくても大きなことはできますから、規模は小さいほうがいいですね。

 「大企業の社長」であることは僕のモチベーションアップにはつながりませんし、むしろ「企業の看板があるから、人が寄ってくる」という状況を嫌と言うほど味わってきたので。

 これまで得たものは何もかも捨てて、1からスタートする気持ちでデジタルシフトウェーブを立ち上げました。

 驚いたのは、付き合う人がこれまでよりも増えたことです。多くの人が僕から離れていくだろうと思いきや、むしろ逆で、昔の仲間が応援してくれるんです。ありがたいことですね。

 なくすことで見えるものがあり、そういうものが大事なのだと再認識しているところです。

 僕はお金持ちになりたい、有名になりたいとは、あまり思わないんです。たとえそれらを得たとしても、墓場に行ったら何の役にも立ちません。



 では、自分は何を残したいかを考えると、まず家族に「一緒にいて楽しかった。あきなかった」と言われたいと思います。それと、僕と仕事で関わった人には「鈴木さんにきっかけを与えてもらった、教えてもらった」と感じてくれ、その人たちの中に“イズム”が残ればいいなと思っています。

 今後も、そんなふうに仕事をしていければなと思っています。

 
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