TOP PLAYER INTERVIEW
大学ラグビーでV10の達成に導いた岩出雅之前監督、ビジネスで勝つには運を引き寄せる、運・根・鈍(うんこんどん)で、自分を整える
よいリーダーの条件は、器の大きさと守破離
田中 マーケターは日々、「組織を動かさないといけない」「イノベーションを起こさないといけない」といったことなどに悩んでいます。でも、「心が変われば、態度が変わる。態度が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる。運命が変われば、人生が変わる。」という、マザーテレサの言葉のように心や思考は今からでも変えられるわけです。それを意識した上で、現代のビジネスシーンのリーダーに必要な条件はなんだと思いますか。
岩出 リーダーは器が大きくないと駄目ですよね。入る器が小さくてキャパ不足だと部分最適しかできないと思います。今は、全員が右向け右ということは通らない時代で、上下左右、あっちにもこっちにも向いていても芯のところは同じ方向を見ていたらよいという時代ですよね。だから、ネガティブにならず、面白いな、この集団いいなぁと思えるような発想ができる器がリーダーには必要だと思います。
田中 ひとりのビジネスパーソンとして働いていると、消費者や顧客を見失い、自分の利益や会社の利益を優先して考えがちになってしまいがちですが、リーダーとして正しい方向に向かっていくには、どうしたらよいでしょうか。
岩出 正しく生きていきたいい情報や基準は、人間なら誰でも絶対に持っているので、もし間違っていることをしたときは、それに気づいてないだけだと思いますよ。「守破離」という言葉がありますよね。「守破離」の「守」は本人が守ることでもありますが、リーダーが守ることでもあるんです。早く殻を破りすぎると未熟なまま出てしまうので、ある程度、殻が破れない強さも必要です。そこに行き着くためには内省だけではなく、正しいのか正しくないのかを問いかけて支援します。
それによって、少しずつ自分で考えられるようになると、それがその人の深さにつながる。正しい考えに行くよう仕向けるのではなく、気付かせる。その繰り返しで、それがマメにできるかどうかですね。
田中 素晴らしい、本日は本のさらに深い先の話が聞けました。ありがとうございました。
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