国境は地図の上にない、心の中にある #02

営業からマーケティングに異動し苦労。競合ではなく、お客さまを見る重要性【元ユニ・チャーム 木村幸広】

 

マーケティングの可能性に気づく


 営業に戻りたいと思う一方で、さきほどお伝えしたように「もっとエンドユーザーに近づいてみたい」と感じていました。ひとつの企業を攻めても、その向こうにいる何千万人というお客さんには届きません。そこで商品や広告をつくる中で、たとえばパッケージに少し工夫を施すだけで売上が変わるといった小さな成功体験を積み重ねて、徐々に小売の向こう側にいるお客さんのことを考えることを身体に叩き込んでいきました。

 最初は店頭に貼るPOPを一生懸命につくりました。そうすると、今度は広告やコピーを任せてもらえるようになり、次にコンセプトがつくれるようになったら、商品開発に携われるようになりといった流れで、ひとつずつできることが増えていきました。

 ただしマーケティングは、絶対にテクニカルなものではないと思うんです。「商売=お客さまに喜んでもらうこと」だと思っています。そして、それこそがマーケティングなのかもしれません。
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