国境は地図の上にない、心の中にある #05

先行メーカーが独占的シェアを持つタイ、元ユニ・チャーム 木村 氏はどう切り崩したのか。

 

完全なる寡占市場のタイに呆然


 タイでは、想像以上に大変な日々が待っていました。私がタイをターゲットに選んだのは、ベビー用品市場が立ち上がったばかりで「黎明期」と言える段階だったからです。ある程度できあがった市場に参入するよりも、これから成長する市場に参入したほうが成功しやすいと考えたからでした。

 しかし、実際に行ってみると先行して参入していたグローバルメーカーが60%のシェアを占め、2位のメーカーと合わせると85%のシェアという完全なる寡占市場でした。そこに新参者の我々がどうしたら入り込むことができるのか、アイデアが思い浮かばず途方に暮れました。競合メーカーに独占された売り場を目の当たりにしたとき「私は選ぶ市場を間違えたかな…」と思いました。



 それでも、私は日本でナンバーワンの商品開発力さえあれば、タイでも必ず成功できると強く考えました。当時、現地で紙おむつの使用実態を調べたとき、日本では衛生観念が強いので頻繁におむつを変えますが、タイでは一晩中、同じおむつを付けたままにしていて漏れるトラブルもあることが分かりました。

 そこで現地の実態に合わせて、オシッコを吸収できる容量が大きく、長時間使える商品を開発して販売しました。タイ市場で新商品を開発し販売するという判断が、のちの成功に繋がりました。

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