キャリア

元・ロレアルCDO 長瀬次英氏は、なぜLDHへの入社を決めたのか

 ロレアルでCDO(Chief Digital Officer)、Facebook でInstagram日本事業責任者などを歴任してきた長瀬次英氏が、EXILEなど人気アーティストグループが所属するLDHに入社した。その背景から、担当する領域、目指しているビジョンなどについて話を聞いた。
 
LDH JAPAN
CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)兼 執行役員 兼 デジタルマーケティング本部 本部長
長瀬 次英 氏

1976年京都生まれ、中央大学卒。インスタグラム日本事業責任者、日本ロレアルのCDOを経て、現在は株式会社LDH JAPANにてチーフ・デジタル・オフィサー兼執行役員を担い、組織全体と事業全体(音楽、ライブ/ステージ、映画/動画、アパレル/ファッション、飲食、GYM/スポーツ、教育/学校など)LDHが抱えるビジネス全体のデジタルアクセレレーションを推進している。2018年1月に「Japan CDO of The Year 2017」を受賞。フォーブス・ジャパン(2017年12月号)において「カリスマCxO」の一人として特集される。
 

ミッションは、「ファンの理解」

−ロレアルからLDHへの移籍に驚きました。どのような経緯でLDHに入社することになったのでしょうか。

 もともとLDH 所属のm-floのVERBALさんや、三代目J Soul BrothersのNAOKIさんと親しく交流させてもらっていたんです。今回は、その縁もあってHIROさんからLDHに加わらないかと誘ってもらいました。

 私としても、ちょうどビジネスキャリアが20年目に差し掛かり、次は飲食やファッション、映画など、自分の好きな業界に関わりたいと思っていたタイミングで、エンターテインメント業界にとても興味を持っていたんです。

-LDHは、一般的なタレント事務所と比べるとビジネスモデルが違うように感じています。

 そうですね、全く異なると思います。

 グループの中には、ダンススクールや飲食店に加えて、ファッションブランドもたくさんあります。所属するメンバーがそれらのブランドの服を着たりしてステージやテレビに出演して、それが注目を浴びたりする、独自のエコシステムを築いています。

 ビジネスの領域は幅広く、現在の社員数も500人を超えています。

−前職のロレアルでは、CDO(Chief Digital Officer)として、同社のデジタルシフトを推進してきました。LDHでは、どのような立場で何を担当されるのでしょうか。

 立場としては、執行役員 CDO デジタルマーケティング本部 本部長になります。

 その最も重要な役割は、顧客である「ファンの理解」です。LDHは、50万人以上のコアなファンがいて、100万人は優に越える会員も抱えていて、多くのデータを保有しています。さらにSNS上でも多くのファンを抱えています。

 私の役割は、これらのデータを洗い出し、統合したり、分析したりしていくことでLDHを「ファンを知ったビジネス」に転換していくことです。
 

EXILE・HIROさんと話して、入社を決意

−「ファンを知ったビジネス」によって、どのようなことが実現するのでしょうか。

 「ファンを知ること」で、より多くの方に楽しんでもらい、ファンになってもらえると思います。その結果、さらにビジネスをドライブさせることができます。

 CDやDVDを購入してくれるファン、ライブに参加してくれるファン、ファンクラブに加入しているファン、それぞれが期待していることは違うかもしれません。それらファンが求めていることを理解することで、ビジネスの方法が変わって、よりファンが楽しんでくれると思います。
 
すでにLDHとして、マーケティングカンファレンスにも登壇。写真は、プレイドが実施した「CX DIVE 2018」の様子。

-CDOとして、長瀬さんを入社させたいと思ったLDHの判断に先見性を感じます。

 この点に関しては、HIROさんや経営幹部、そして所属の方々の考えが中心にあると思います。LDHの将来、そしてそれ以上にファンのことを最も考え、将来に対して大きなビジョン「Love, Dream, Happiness」を持ちながら真剣に取り組んでいるのが会長でクリエイティブプロデユーサーを務めるHIROさんを筆頭に、LDHのみんなが動いています。

 これまでもHIROさんや所属の方々の考えや夢を実現していくことで、LDHは順調に成長してきたのですが、それをさらに確固たるビジネスになるよう、デジタルからサポートしてほしいという考えだったのだと思います。

−入社にあたっては、HIROさんと何度かお話をされたのですか。

 そうですね、面接という形ではなかったのですが、食事には行きました(笑)。

 外部から人材を入れていくこと自体が少ない会社ですので、いざ入れるとなったらファミリーとして迎えたいということで、4月ぐらいからいろんな方たちと何度も食事をしてざっくばらんにお話しさせてもらいました。そういう意味では、人生で一番いい面接だったと思います。

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