キャリア

元・ロレアルCDO 長瀬次英氏は、なぜLDHへの入社を決めたのか

CDOという仕事の可能性を広げていく

−LDHのデジタルマーケティング本部とは、どのような組織なのでしょうか。

 デジタルマーケティング本部の傘の下に物販、販促、マネージメント、チケット、モバイル・アプリ、メディアコンテンツ、コールセンターなどが入っています。私の入社した8月に組織を大きく変更してもらいました。

 なぜなら、これらの部門は、全てファンとの接点だからです。ファンとの接点を通じて、データを入手し、一元化し、さらにそれをどのように増やしていくのか、ビジネス全体を俯瞰して捉え直して、必要な箇所にツールを入れたり、施策を行っていったりします。そういう意味では、ロレアルのときに担っていた役割と大きくは変わらないかもしれません。

 ただ私は、ロレアルやユニリーバなどでは主にプロダクトのマーケティングを経験してきましたが、タレントという人を扱ったことはありません。LDHが所属するグループには、熱狂的なファンがいるだけに、自分がこれまで取り組んできたインサイトの理解とは異なると思います。だからこそ、面白いと思いっています。

−長瀬さんとしても、新たな挑戦になるわけですね。

 そうですね。実はロレアルにいる間に、CEOのオファーもたくさんいただいたのですが、個人的にはもっと日本にデジタルのリーダーを増やさないといけない、CDOという仕事に厚みを持たせないといけないと思っていたんです。

 現在、日本にはCDOという役職をもつ人が50人ぐらいいますが、詳しく話を聞くとEC部門のトップという立場だったり、本来CDOが担う全社の方向性・戦略をつくったり、社員のマインドを変えたりといった仕事を担っていないことも多いように思います。

 これには、経営的な観点でロジカルにデジタルをどう入れていくのかという必要性が認知されておらず、マーケットのリテラシーが追い付いていないという理由があると思います。LDHでは、エンターテインメントはもちろん飲食、ライブ、タレントマネジメント、スクールなど、複合的な経験を積むことができます。そういう意味では、日本における CDOという仕事の可能性を広げることにもなると思っています。
 
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