変革のカギを握るCxOの挑戦 #13

パーパスやバリューを刷新したUCCグループ、経営戦略と海外ビジネスの裏側に迫る【UCC上島珈琲 副社長 里見陵氏】

 

BtoBを支柱に、グローバルビジネスをさらに強化


石戸 ほかに、里見さんがUCCグループに入社されてから、大きく変えた部分はありますか。
  
グローバルへの強化について語る里見氏

里見 現在は海外の売上高が3割強です。ただ、海外でのビジネスをさらに強化することに、経営企画として取り組んできました。直接的に関わったもの間接的に関わったものさまざまありますが、海外でのM&Aや地域本社の立ち上げ、グローバルの調達部門の設立など、主に海外事業やグローバルの組織をつくることに携わってきました。

石戸 海外ビジネスを強化するときに、UCCグループの中で柱としていることは何かあるのでしょうか。

里見 大きく2つを大事にしています。ひとつ目は、BtoBを主体としている現地企業の買収です。この方法が最も多いですね。我々はBtoBの経営アカウントマネジメントや営業、製造などのノウハウを基盤として持っているので、それを現地の会社に展開します。過去には、当時売上が約450億円ある欧州のコーヒー会社を買収したり、オーストラリアで最も大きいBtoB中心のコーヒー会社を買収したりしたこともあります。

2つ目は、現地におけるブランディングです。こちらは地域を絞って地道に取り組んでいく活動で、現在では特にアジア、中でも東南アジアにフォーカスしています。東南アジアは、まだまだ日本ブランドが生きる成長領域です。そのため、現地企業の買収と並行し、UCCブランドの外食店舗をつくったり、喫茶店にUCCの看板を掲げたりと、コンシューマーに向けたブランディングにも力を入れています。

石戸 それぞれの地域のフェーズに合わせて展開を変えているのですね。

里見 はい。全方位的に展開するリソースはないので、そのようにしています。

石戸 とても貴重なお話をたくさんいただきました。本日は、ありがとうございました。
  
対談終了後の石戸氏(左)と里見氏(右)
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