国境は地図の上にない、心の中にある #10

元ユニ・チャーム グローバルマーケターの木村氏が語る「ブランド=お客さまに対する責任の宣言」

 

グローバルマーケティング本部長に就任


 約10年間インドに駐在した後、2017年に日本に戻り「グローバルマーケティング本部長」というポジションで全世界のマーケティングの責任者となりました。

 本当はインドで定年を迎えようと思っていました。でも、タイやインドでの事業創造をやり遂げたこと、ずっと赤字だったインドの黒字化も見えてきたことなどを評価して頂き、今後のユニ・チャームの海外での成長のため、再び日本の本社で仕事をすることになりました。

 高原豪久社長のリーダーシップにより、インド参入後のユニ・チャームは、ロシア、米国、エジプト、ミャンマー、ブラジルなど、新しいマーケットに次々に進出していきました。私がインドを離れた当時、ユニ・チャーム全体の海外売上構成比は約65%で、海外市場のさらなる成長や強化が求められていました。

 それと並行して、日本は人口構造が大きく変わり、大人用のおむつ市場が伸びたり、ペット需要が伸びたりしていました。次の時代に向けた事業開発や先行的なコンセプトづくりも求められていましたね。



 実際にタイや中国でも赤ちゃんの数が減り、ベビー用の紙おむつだけで戦える時代ではなくなりました。今後、世界中でも同じことが起きます。そうした変化に対応すべく、日本市場をさらに強化し、海外でも新事業やブランドをつくり、さらなる成長を加速させる取り組みをしていました。

 日本に戻って初めてペット事業も担当することになりました。以前は別会社だったユニ・チャームペットケアのマーケティング部を、ユニ・チャームのマーケティング組織としてひとつにし、マーケティング全体を統括する体制でした。ユニ・チャームの全てのマーケティング機能が一つになる本部体制でした。

 その背景には、デジタル上でのコミュニケーションや消費者との新たな関係構築がマーケティングのテーマとして上がっていたことがあります。それぞれのブランドでバラバラに活動するのではなく、お互いに知見を共有し合う必要があったのです。
  
日本の本部長時代、ピンクリボンキャンペーン

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