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ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #10

シリコンバレーのベンチャーキャピタリスト宮田拓弥が、投資先を決めるために実践している情報収集術と思考法【聞き手:ニトリ田岡敬】

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シリコンバレーのベンチャキャピタリスト 宮田拓弥が、日本企業に見出している価値と可能性【聞き手:ニトリ田岡敬】

業界を横断してみることで、価値の発見につながる

田岡 ベンチャーキャピタルという仕事の面白さは、どこにあるとお考えですか。

宮田 僕は専門領域を1つに決めて、それを追求するよりも、さまざまな領域のビジネスに取り組みたいタイプなんです。現在、経営しているスクラムベンチャーズも業界を問わず投資していて、やはり色々な会社を見られるのが楽しいですね。
宮田拓弥氏
Scrum Ventures 創業者/ゼネラルパートナー

1972年、神奈川県生まれ。サンフランシスコをベースに、米国のテックスタートアップへの投資を行うベンチャーキャピタルを経営。これまでにコマース、ヘルスケア、SaaS、動画、VR、Fintech、IoTなど40社を超えるスタートアップに投資を実行している。またSan Franciscoでコラボレーションオフィス ZenSquareを運営している。それ以前は、日本および米国でソフトウェア、モバイルなどのスタートアップを複数起業。2009年ミクシィのアライアンス担当役員に就任し、その後 mixi America CEO を務める。早稲田大学大学院理工学研究科薄膜材料工学修了。


田岡 投資するからには、その業界を深く知って見通しを立てる必要があると思うのですが、業界が幅広いと大変ではないでしょうか。

宮田 専門性がなければ投資はできないという人もいますが、僕の考えでは、例えばリテール企業はリテールという視点からだけ見てもダメで、その価値の核にはAIや金融といった別の要素があったりします。特に今は横断的に見ることが価値の発見につながると考えているため、僕自身はとにかく幅広い業界を見ることを重視しています。

田岡 情報が増えてくると、知見が指数関数的に貯まるということですね。どのように各業界の情報を集めるのですか。

宮田 基本的には、一から勉強します。その方法は、市場やテクノロジー、競争環境などの基礎調査を行った上で、その業界で働いている人に直接インタビューをすることです。

 米国のビジネスパーソンはLinkedInでつながっているため、話を聞きたい対象を検索し、その人と共通の知り合いがいればすぐに紹介してもらいます。そこは日本と枠組みが少し違って面白いところですね。

田岡 人からの生の情報が重要なのですね。

宮田 そうです。メディアを通した勉強だけではなく、人から話を聞くことはとても大事です。信頼できる人に紹介してもらうと、深い内情までしっかりと教えてもらえます。それらの情報からマーケットを理解し、勝てるという見込みを持ってから投資しています。最近、投資した企業はデータ系ですが、地方自治体の仕事を受けていたため、自治体にもヒヤリングしました。

田岡 投資を決める際は、どのような要素を見られるのですか。

宮田 プロダクトやスタッフも含めて、かなり多角的に見ます。創業者に嫌がられない程度にではありますが、デューデリジェンス(投資先の価値やリスクに対する調査)は細部まで徹底的に行います。

田岡 基礎調査をして、エキスパートにインタビューをするのは、戦略コンサルティング会社と同じスタイルですね。それだけ徹底していると、「スクラムベンチャーズさんが投資するなら、うちも」というVCもありそうですね。

宮田 そうですね。米国は投資家の数が多いため、共同出資する機会が多くあります。その際は、お互いにデューデリジェンスの資料を融通し合いますね。

田岡 そこはオープンなのですね。

宮田 はい、日本は投資先の企業とNDAを締結するのですが、米国ではほとんどありません。文化的な側面もあるのですが、様々な情報をブレンドしながら発想したり、ディスカッションしたりするため、情報を出せばそれに対するフィードバックが返ってくるという考えがベースにあるんです。GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)も、かなり情報を公開していますよ。

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