変革のカギを握るCxOの挑戦 #20

富士通の全社DXプロジェクト「フジトラ」、実現した先に見据える未来【執行役員 EVP・CDXO・CIO福田譲】

 

日本の会社で働いていることに誇りを持てるようにしたい


石戸 福田さんは、富士通が変わった先に何を見据えているのですか。

福田 日本の価値観や戦い方を、世界で戦えるレベルに持ち上げることです。日本は「和を以て貴しとなす」や「三方よし」といった考え方がある国なので、社内はもちろん、お客さんやパートナー、サプライヤーを含めてハッピーの総和が最大化する考え方に特長があります。

いまや日本は、経済で「量」を誇ることはできません。それなら、「質」の面で、日本が独特な輝き方をしている、あるいは日本人ではない社員も含めて日本の会社で働いていることに誇りを持てるような環境にしたいと思っています。そのため、富士通として特長のある経営やマーケットでの立ち位置が築けるといいですね。
  

石戸 そうなれば、日本企業は勇気をもらえますね。富士通はいま本当に元気になっていますし、業績もいいので、改めて素晴らしいと思いました。

福田 まだまだ課題は多く、これからです。

石戸 では最後に、同じような企業変革に取り組んでいる人に、何かアドバイスをいただけませんか。

福田 富士通もDXプロジェクトに成功したわけではないので、偉そうなことは言えません。ただ、企業変革を実現するために大切なことは「しつこく、ブレずにやる」に尽きると思います。正直、いまでこそ様々な変革が進んでいる実感を持ち始めていますが、それを感じ始めたのもフジトラをスタートして2年が経過したあたりからです。

3カ月に1度、開催している社内DXイベントも、最初の参加者は約500人でした。それが地道に続けてきたことでクチコミが社内で広がり、いまでは1万人規模が参加するイベントになりました。どこの会社も最初は冷え切っていて、難しいのは一緒です。ただそれでも諦めずに、一貫性をもってしつこく取り組み続ければ、明けない夜はないと思います。

石戸
 貴重なお話をたくさんいただきました。本日は、ありがとうございました。
  
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