変革のカギを握るCxOの挑戦 #21

15歳起業で注目を集めたレシート買い取りONE 山内奏人氏、22歳のいま考える経営戦略

 

スタートアップ経営のセオリーから外れたプロダクト開発


石戸 WEDを創業してから7年ほどになると思います。創業からこれまでを振り返って、辛かったことや困難などはありましたか。

山内 「ONE」ができるまでは、当たるプロダクトをつくることができなかったので、正直ずっと苦しかったですね。いくつもプロダクトをつくり、何度もピボットを繰り返してきました。
  

石戸 大手企業の新規事業だと、経営計画に入ってしまい事業をやめられず、成果が見えない状況で、ずるずると続けて苦しんでしまうことが多い印象です。山内さんは新規事業の進め方についてどのように感じていますか。

山内 WEDのカルチャーとして、すごく良いなと思っていることは、新しい事業を「新規事業」として取り組まず、実験的な施策のうちのひとつという意識で同時並行で取り組み続けていることです。

従来の一点集中で成果を求めるスタートアップの経営戦略のセオリーからは外れているのですが、さまざまな事業や施策を実験的に取り組むことで、うまくいく事業とそうでない事業にも柔軟に対処できると思っています。

たとえば、「ONE」のアプリの中には、普段通りにオンラインショッピングをするだけで、ショップごとに購入金額の数%のお金がもらえる「ONEモール」という機能があります。これは、もともとまったく違うサービスとして立ち上げて、結果的にやめてしまったサービスをONEの機能として統合したものです。実験という意識だからこそ、方向性を変えることも柔軟にできますし、うまくいかなくてもすっきり諦められて、異なる挑戦として再スタートできるカルチャーがあるんです。
  
  
お金がもらえるお買い物アプリ「ONE」で撮影されたレシートの数々

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