ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #19
社員のインセンティブ報酬は、生み出した利益で決定。明確な評価こそ社員のやる気に【ベクトル 西江肇司】
起業家の悩みが分かるから、アドバイスをする
田岡 仕事やプライベートにおいて、何から刺激を受けてますか。
西江 海外に行ったり、サーフィンをしたりします。あとは、ベンチャー投資ですね。多くの若い起業家から相談が来ていて、1日に2~3件相談が来ることもしばしばです。
田岡 そんなに来るんですか。
西江 はい、向こうから連絡が来ますし、実際に会うこともあります。私がPR領域に詳しいので、商品やサービス内容を聞いた瞬間に、それが世の中に広まるかが分かるのです。そこで彼らにアドバイスをするわけです。
田岡 ベンチャー投資を始めた、きっかけは何ですか。
西江 自分が上場したとき、周囲に味方が少ないことに気づいたことですね。また、僕自身も起業を経験しているので、若い起業家の悩みが分かります。そのため、アドバイスをしたいと思うようになりました。
田岡 たくさんの起業家に会っていると思いますが、最近の起業家の傾向について、どのように感じていますか。また、彼らにどのようなアドバイスをしていますか。
西江 優秀な人が多いですね。ただ、資金調達に走りすぎる企業が多くて、もったいないなと思っています。今は5億円や10億円を調達するのも簡単な時代。しかし、そのお金を使って儲ける能力は持っていないことが多いのです。
5億円を使って3億円の利益を出すならば、8億円を売り上げる必要があることも投資を受けて初めて知ります。だから僕は、あまり集めすぎるな、とアドバイスしています。
田岡敬氏 対談を終えて
西江さんの強みは、一消費者としてモノやコトを楽しむことを通じて時代の変化に敏感で次に何が来るのかを消費者目線で感じることができ、かつクライアントと業界のコスト構造を理解し、テクノロジーにも詳しい、という3つの掛け算にあると思いました。
Web上でまずは動画を見せるべし、タレントパワーは使うべし、といったシンプルで本質的な指摘も一消費者として様々なコンテンツを見ることができているからこそだと思います。インセンティブの考え方もそうですが、変にこねくり回すのではなく、「要はこういうことでしょ?」とシンプルで本質的で一番の最短距離を考える西江さんの思考法は、情報が多くとかく複雑に考えてしまいがちなときに、とても参考になります。
Web上でまずは動画を見せるべし、タレントパワーは使うべし、といったシンプルで本質的な指摘も一消費者として様々なコンテンツを見ることができているからこそだと思います。インセンティブの考え方もそうですが、変にこねくり回すのではなく、「要はこういうことでしょ?」とシンプルで本質的で一番の最短距離を考える西江さんの思考法は、情報が多くとかく複雑に考えてしまいがちなときに、とても参考になります。
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