ダイレクトアジェンダ特別企画

「直近3年でマーケターが取り組むべきミッションは?」アスクル・オイシックス・バルクオム・ビームスのECリーダーが語ったこと

LINEに「×」を付けた理由は何?

西井 コミュニケーションはどうでしょうか。メール、LINE、ソーシャル公式と3つに分けてみましたが、意外だったのがLINE(ビジネスコネクト)で、3社とも「×」でした。

野口 バルクオムはLINE@を使っていて、友だち登録数をKPIのひとつとして追いかけています。先般お話しした通り、メッセンジャー型広告も展開しています。ビジネスコネクトこそ活用していませんが、LINEの活用には、積極的なほうだと思います。

輿水 LOHACOもビジネスコネクトは活用していませんが、LINE@経由の売上は多く、SNSの中で一番パフォーマンスが高いです。

矢嶋 ビームスはLINE公式アカウントを運用しています。LINEを活用した情報配信は瞬発力がありますから、イベント開催時などは重宝しています。

西井 皆さんがビジネスコネクトを使わない理由は、やはり費用対効果でしょうか。

輿水 今年は、ビジネスコネクトにも力を入れようと思っています。ヘビーユーザーほどアプリを活用する傾向が強いのですが、「どうしてもアプリをインストールしたくない」という方も一定数います。そういう方に、LINEを使って購入いただけたらと。

西井 なるほど。データ活用については、どうでしょうか。MA(マーケティングオートメーション)ツールが、あまり積極的に活用されていないのが意外でした。ここ1~2年ほど、MAの話題が盛り上がっていたと思うのですが。

矢嶋 3年ほど運用を続けています。店頭とECのお客様の会員IDデータは統合できていますが、デジタル系の全データをMAに取り込むことがまだできていないという点で課題はありますが、もちろん今後さらに改善していきたいと思っています。   

輿水 LOHACOでもいくつかのツールを入れていますが、現時点では思うようなリターンが得られていません。

西井 皆さんいろいろな施策にトライしているので、やはり費用対効果を重視しますよね。「△」や「×」がついたものは、「重視していない」ということではなく、いまはよりパフォーマンスの高い手法に注力している、ということなのですね。アプリの活用状況はどうでしょうか。

野口 一番恥ずかしい状況なので、僕からいいですか?(笑)。商品開発担当と、「化粧品以外で、ユーザーにお届けする新しい商品をつくりたいよね」という話をしていたんです。それで出てきた案が、鏡。スマートフォンでアプリを立ち上げたらインカメラが起動し、鏡になるアプリをつくりました。結果としてはほとんど反響はなく、失敗に終わりました……だから「×」としました。

矢嶋 アプリをダウンロードしてくださっている数十万人の中には、特にロイヤリティの高いお客さまも多数いらっしゃいます。会員カード機能や、情報発信機能によって、その方たちとしっかりつながり続けることが、アプリの目的です。意外なのは、アプリ経由のCVが伸びていること。今年はここに注力しようかなと考えています。

輿水 LOHACOは、3週間ごとくらいの頻度で定期的に購入する方が多いのですが、使い方に特徴があって。こまめにアクセスしては商品をカートに加え、ある程度まとまったタイミングで購入する方が多いんです。

西井 オイシックスも同じです。そういう使い方は、ブラウザだと難しいんですよね。

輿水 忙しいときは、購入履歴や検索から購入する。夜寝る前に、記事や写真をゆっくり見た上で購入する。アプリの利用の仕方は、そのように大きく2パターンあります。だからLOHACOは、2パターンのUIを用意して、自在に切り替えられるようにしています。コモディティ商品を取り扱っているECにしては、写真が充実しているのはそのためです。

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