EUROPE TOUR2019ツアーレポート #02
GDPR施行の欧州訪問で感じた、自社でデータを持つことの重要性【ツアーレポート】
ナノベーションでは、2月17日から24日までの8日間、ヨーロッパ(スイス、ドイツ、オランダ)をまわり、ネスレやルフトハンザといった企業を視察するツアーを開催しました。今回、ツアーに参加したナノベーションの笠原望が感じたことをまとめたレポートの後編になります。(前編は、こちら)
「アパレル×金融」に可能性、顧客データが鍵
■ 5社目otto group media
ツアー5社目の訪問先は、ドイツ・ハンブルクにあるotto group mediaです。創設者であり、CEOであるTorsten Ahlers氏の話を聞きました。カタログ通販としてスタートした彼らは、一時はAmazonと対抗していた企業。ottoは長い歴史の中で、多くの顧客データを持ち、小売業からメディアビジネスへと変化しています。
特に面白いと感じたのは、最近彼らが「ローンビジネス」も展開していること。お金がなくて洋服が買えないお客さまの代わりに銀行からお金を借りて、ローンを組んであげるサービスだそうです。ZOZO TOWNにもツケ払いというシステムがありますが、今後は「アパレル×金融」 のビジネスが拡大していくのかもしれません。
■6社目:philips(フィリップス)
6社目は、オランダ・アムステルダムにあるフィリップスへ。125年の歴史を持つ同社は電化製品のブランドとして有名ですが、現在はHealth Tech(健康テクノロジー)にも力を入れています。
今後、医療や健康の分野で急速にテクノロジーが進出し、それをサポートする企業が早急に必要になる、とのこと。
しかし、その領域に進出するにあたり、最も気をつけているのが顧客データとの付き合い方だそうです。特に、ヨーロッパは昨年5月からGDPR(一般データ保護規則)が施行されたばかりで、顧客データの扱い方にとても敏感になっています。
GDPRに従わなかった場合、企業は最大で全世界年間売上高の4%以下、もしくは2000万ユーロ(約25億円)のいずれか高い方が適用されます。今回のヨーロッパ視察ツアーの企業全体を通しても、ヨーロッパ企業は顧客データの取り扱いが繊細で、重きを置いて扱っていることがよくわかりました。