ウーマンズインサイトアジェンダ特別企画 #02

女性向け商材は「女性マーケター」が担当するべき?【オイシックス・クレディセゾン・コーセー・ニッセン・吉野家 座談会】

口コミをどう分析して、インサイトを見つけていくのか




——女性向けの消費財、マーケティングを展開していく上で「重視するべきポイント」はありますか。

田中 仮説を立てて、実行するスピードが重視されるのではないでしょうか。One to Oneなコンテンツをスピーディに届けていく必要があるので、クリエイティブの内製化もトレンドとして進むと思います。

吉野家はリアルな店舗を持つ商売ですが、Tポイントなどを使ってできる限りデータも見ています。インサイトを軸に、データと仮説を使いこなさないと勝てない時代です。

小林(加) 当社では、商品開発や改善のために感情的な価値観の探り出しを重視していまして、そのひとつの方法としてネット上の口コミを徹底的に見ています。

例えば、「こんなセットアップの服が時短で着られます」と提案しても、「上下別々で売ってください」みたいなリアルな声があるんです。そうした声は、次の商品開発で解消できるように社内に回しています。一方で、口コミが起点になって、常時売れているヒット商品もありますよね。そこから何がユーザーに支持されたのかを考えるようにしています。口コミはインサイトを探るために大事ですよね。

菅 そうですね。自分が口コミしたことによって商品が改良されていく様子が見えたら、もっと言いたくなるし、企業への信頼度を一気に上げられますよね。特に女性をターゲットとしている場合、一緒につくっている感を出すことは大事だと思います。

さらに、私たちが大きく変えたのは、写真の撮り方。食材はより美味しそうに、温度感を伝える撮り方をする。ちょっとしたことですが、それによって買いたい気持ちがずっと上がることが分かりました。

また、全然違う観点からお話しすると、商品やサービスを進化させようと思ったときに「業績」を上げるチームと「進化」や新しいものを生み出すチームが別である方が成果を出しやすいということが経験上わかってきました。同じチームだとどうしても目前の売上達成を意識するので、中長期的な進化や新しいことを考えることになかなか時間を割きづらいです。

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