RECONE レポート

キーワードは、いつの時代も友だち? 若者の可処分時間を奪うために必要なこと 【足立光・西村真里子・北庄司英雄 】

テレビを入り口にデジタルでマネタイズがトレンド化


 セッションの後半、話題はテレビCMにも及んだ。足立氏が注目したのは、先日まで放送されていた日本テレビの人気ドラマ「あなたの番です」の放送終了後に放映されたテレビCM。そのCMでは動画配信サービス「Hulu」で見逃し視聴ができること、またアナザーストーリーを配信していることを訴求していた。

 足立氏は「テレビドラマ終了後にHuluへの呼び込みをしていたのは、テレビの新しい使い方に感じた。動画配信サービスで儲けることができれば、テレビの番組にはスポンサーが付いていなくても成り立つ。この傾向が強まれば、今までの『広告主ありき』なテレビのコンテンツのつくり方がガラッと変わる可能性がある」と評した。

 また、西村氏はテレビを上手く使うという視点から、本イベント「REC ONE」にも出演したお笑い芸人・田畑勇一氏について言及。

 「田畑さんも芸人としてマネタイズするために、テレビに露出して知名度を獲得して、自身が登場するYouTube公式チャンネルや劇場に来てもらう流れをつくっている。テレビに出演することがゴールではなく、そこを起点に違うビジネスモデルで稼ごうというお笑い芸人が登場しているのも新しい動き」と話した。



 それを受けて足立氏は、「日本の人口の半分は60代以上であることを考えると、テレビは間口が一番広いメディア。そのテレビを入口にして、次の展開につなげる戦略はあり。そうするとテレビ番組単体で儲けなくていいし、広告主もいらないので、視聴率も気にする必要がなくなる」とコメントした。

 最後に足立氏は、「日本のメディアのマーケットは間違いなく縮小していく。その理由は、人口が減少することに加えて、単純にコンテンツがインターナショナルではないから。国を超えて通用するコンテンツが数多く出てくれば、日本のメディアも変わるのではないか」と総括。

 西村氏は、「テレビや車内の映像など、様々なデバイスをどうしたらシームレスにすることができるのか。分断されているメディアをどうしたら繋げていけるのか。アプローチの方法は未知数なので、今日のような場があるといいと思う」と話し、セッションは終了した。
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