SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2019

社会の多様化でマーケターの「キャリアデザイン」は、どう変わる?【SIWレポート】

 多様な未来について考える都市回遊型イベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2019」が9月11日から22日までの12日間、東京・渋谷、原宿、表参道エリアを舞台に行われた。

その中のひとつのプログラムとして、マーケターのキャリアに関するパネルディスカッション「多様化するマーケターのキャリア」(主催:マーケターキャリア協会)が開催。Peatix CMOの藤田祐司氏をモデレーターに、NETFLIX マーケティング シニアマネージャーの鴨下豊氏、FWD富士生命 執行役員 兼 CMOの立川麻理氏、The Breakthrough Company GO プランナーの折茂彰弘氏が登壇し、マーケターとしてのキャリアについて議論した。
 

マーケターのキャリアは、日本企業と外資系企業で違う?


藤田 今回の登壇者は、4人とも日本企業と外資系企業の両方で働いた経験を持っています。それぞれの違いから聞いていきたいと思います。
藤田祐司氏
Peatix CMO
慶應義塾大学卒業後、インテリジェンス(現 パーソルキャリア)で営業を担当後、2003年アマゾンジャパン(現 アマゾンジャパン合同会社)に入社。最年少マネージャー(当時)として、マーケットプレイス事業の営業統括を経て、Peatixの前身となるOrinocoを創業。2019年6月 CMO(最高マーケティング責任者)に就任し、グローバルを含めたPeatix全体のコミュニティマネジメント・ビジネスデベロップメント・マーケティングを統括。

折茂 私は知人の紹介で外資系広告会社のマッキャン・エリクソンに中途入社したのですが、内定をもらった後にそのポジションが空かないから入れないという期間が長くありました。私自身は「ポジションは、どこでもいいですよ」とお話したのですが、待たされてしまって…。外資系企業は、かなり厳密にポジションに人を割り当てていくのだなと感じました。
折茂彰弘氏
The Breakthrough Company GO プランナー
大学では建築を学んだ後、博報堂アイ・スタジオで多くのデジタル施策を手がけた。2015年よりマッキャンエリクソンにプランナーとして入社し、日系/外資を問わず様々な企業の戦略立案・ブランディング・コミュニケーション設計を担当。コミュニケーションで世の中の挑戦・変化を応援したいという想いから、2018年GOにジョイン。2015年ヤングカンヌ日本代表。 Cannes Lions Healthブロンズ、ACCグランプリなど受賞歴多数。

藤田 たしかに、外資系からは「採用フリーズ(採用活動の凍結)」の話をよく聞きますよね。タイミングによって入社の門が開いたり、閉じたりします。

鴨下 外資系企業は、何をやるべきで何をやめるべきかの取捨選択が非常にスピーディーな分、戦略の転換によって内定後のフリーズが起きるのではないでしょうか。一方で、日本企業の場合、組織や人材の配置を変えるまでに時間がかかる印象です。私自身は電通でインドに赴任した経験がありますが、組織が大きいため話が出てから確定までに時間がかかりました。
鴨下豊氏
NETFLIX マーケティング シニアマネージャー
慶應義塾大学を卒業後、電通に入社。関西支社インタラクティブ・コミュニケーション局、グローバルソリューションセンター、電通インドグループなどにて国内外のデジタル関連のプランニングやコンサルティングを担当。2013年に同社を退職、外資系飲料メーカーでのデジタルマーケティング職を経て、2015年6月より米ネットフリックスの日本事業立ち上げに参画し、現職。

立川 私が一番大きな違いだと思うのは、グループオフィスが海外にあるかどうか。外資系は日本だけで判断するのではなく、海外オフィスとも調整しながら物事を進めていく必要があります。大変な点もありますが、サポートもしてもらえると感じていました。
立川麻理氏
FWD富士生命 執行役員 兼 CMO
日系小売流通企業でマーケティング・ディレクターとしてコーポレートブランディングの再生を図り、新製品開発、コミュニケーション、キャンペーンやPRを通じ、同社の二桁成長へ貢献。日本のコンシューマー市場で15年の経験を有し、その経験を活かし、『デジタルで変わるマーケティング基礎』(2016年10月刊行・宣伝会議)の共同著者を務める。直近でアマゾンジャパンにおいて、シニア・プロダクトマネージャーを務め、現職。

藤田 なるほど。外資系企業によっては、本国から戦略が下りてきて、それをもとに動くというケースがありますよね。その点、日本企業は戦略を日本で立案するため、自由度が高いとも言えそうです。

立川 さらに日本企業と比べると、外資系はフレキシブル。数年前になりますが、前職で育休を1年2カ月取得し、復帰後も問題なく前と同じ仕事をバリバリこなすことができました。しかし日本企業だと、復帰に職種や部署異動などキャリアチェンジが伴い、周囲の人たちとゼロから関係性を築く必要があったり、大変な印象です。

藤田 私が新卒で入社したのは日本のベンチャーでしたが、今思えば年功序列の考え方がありました。その後、すぐにアマゾンへ転職したのですが、新卒と変わらないような私も平等に扱われることに衝撃を受けました。外資系は年齢に関係なく仕事の内容ですべてが決まるため、キャリア形成においてもチャンスが多いと思います。ただ一方で、今は働き方改革の流れもあり、日本企業も変化してきているかもしれません。

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