リテールアジェンダ 特別企画 #02

買取保証のPB商品は、リテールとメーカーの理想的な連携と言えるのか

リテールはメーカーの商品を売り切る覚悟が必要?


——メーカーとリテールのパートナーシップを考えた場合、リテール側には、その商品を売り切る覚悟が必要になるというわけですね。

郡司 はい、まず返品を減らすことが大事です。おそらく、一番返品率が高いのがドラッグストア業界ではないでしょうか。

富永 なんだかインテグリティ(誠実さ)を持ってパートナーと接しなさいという、道徳の教科書みたいな話になってきましたね(笑)。



鈴木 そうですね。この場合、リテールとメーカーが何か共通の目的を持てばいいんじゃないのかな。ひとつは、お互いに生産性を高めていきましょうというテーマ、もうひとつがITの導入ではないか、と。

特に今の時代は、2つ以上の専門性の高いスキルを持つことが大事だと思います。富永さんは、もともとメーカー側にいて、そこからリテールにいったため両方のことがわかります。私も、もともとは富士通でITを経験してからリテールにいきました。そういう人材が増えると良いのではないでしょうか。

郡司 共通目的を持とうという話はいいですね。結局、多くの商品のパッケージデザインが消費者の生活に馴染むものではなく、店頭で目立つためのものになっています。お客さんの観点を入れて、その課題解決のために一緒に取り組んでいくべきだと思います。

——最後に12月3日、4日開催されるマーケティングカンファレンス「リテールアジェンダ」への期待を一言ずついただけますか。

鈴木 リテールとメーカーがお互いを理解する場になって欲しいなと思います。そして、できることなら、経営者が自ら課題感を持って参加してくれる場になればと思います。基調講演でファミリーマートの澤田社長が来られることが、そのきっかけになることを期待しています。

富永 
リテールにマーケティングが浸透しない理由は、経営者の理解が不足しているからですよね。リテールがきちんと勉強して、メーカーに丸投げしないためのきっかけの場になってほしいと思っています。

郡司 リテールアジェンダに最初に参加したとき、すごくいい場所だなと思いました。リテール視点だと棚マスタなどの手間が合わないなというタブレットが付いたカートについて、メーカーの方から「こういう視点で助かっているんです」という意見がもらえたんです。私はリテールの人なので、メーカーの方々と話す貴重な機会です。今回も多くの方とお話ができるのを楽しみにしています。

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リテール、メーカーのマーケティング領域のキーパーソンが集結
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