ウーマンズインサイトアジェンダ
「憧れ」と「身近さ」の両立。ゴディバの急成長を実現した、常識に囚われない戦略
クオリティを維持していれば、憧れと身近さを両立できる
田岡 様々なお客さまが増えることで、ブランドイメージは変わりましたか。
シュシャン たしかに「Aspirational (憧れ)& Accessible(身近さ)」の両立は、バランスが難しいところがあって、常にバランスを整えながらマーケティングしています。
ビジネスは、消費者の気持ちを想像することが一番大事です。例えば、15年前のお寿司屋さんに、シャンパンや白ワインは置いていませんでした。でも、今は美味しい白ワインが飲めますよね。このように美味しさ、クオリティを維持しながら、新しいことへのチャレンジが重要だと思います。
田岡 先ほどデジタルの話にも触れていましたが、今後は、購買履歴を蓄積・顧客IDに紐づけるなど、カスタマーベースのマーケティングを実施しようとしているのでしょうか。
シュシャン これからの時代には、ワントゥワンのコミュニケーションが必要だと思っています。それを進めてもらうため、数カ月前からCDO(Chief Digtal Officer)のポジションに宮野さんに就いてもらいました。
宮野 はい、先ほどシュシャンから説明があった通り、ゴディバはご自身で召し上がってもらうだけでなく、ギフトとして活用されるシーンも多いというユニークな商品です。
チョコレート市場にとって大きな機会は、バレンタインやホワイトデーですが、そこでゴディバをもらうと、高い認知があり販路も広い商品であるために「ゴディバをもらって嬉しいという感覚」が薄れてしまうというインサイトがあります。
その一方で、お土産や普段の機会にもらうと「高級なものを頂いた」「自分のことをきちんと考えてくれている」というインサイトが生まれたりします。オケージョンやタイミングで、もらう人のインサイトが全然違ってくるんです。
そこで、今後は、そうしたモーメントやオケージョン、ユーザーのステージを全部紐解いて、適切なタイミングでメッセージを伝えるという取り組みをデジタルでチャレンジしていこうと考えています。
田岡 最後に、シュシャンさんが著書『働くことを楽しもう。 ゴディバ ジャパン社長の成功術』を書いた背景をお聞かせください。
シュシャン 皆さんに楽しく仕事をしてほしいという想いがありました。もうひとつは、「Let's Change & Transform Together」。今までの価値観に囚われず、新しいことにチャレンジしていただきたいのです。詳しくは、書籍に書いてありますので、ご興味があれば、ぜひお読みください。
田岡 シュシャンさん、宮野さんの新しいチャレンジを楽しみにしています。ありがとうございました。
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