MOBILE CREATIVE AWARDSponsored

ファンタの好意度が5.5ポイント向上、フォロワー数は20万超え 「MOBILE CREATIVE AWARD 2019」グランプリ企画の裏側

 Instagramに投稿された広告クリエイティブの手法やアイデア、成果などを表彰する「MOBILE CREATIVE AWARD」。2019年は、日本コカ・コーラの「ファンタ坂学園」(企画制作:博報堂)がグランプリに輝いた。

 この企画は、人気アイドルグループの乃木坂46をイメージキャラクターに起用。「ファンタ坂学園」という架空の学校を設定し、新規に開設したInstagramアカウントから、人気アイドルがティーンと同じように学校生活を送っている日常のシーンの中で、ファンタのボトルで仲間と遊んでいる様子をストーリー機能などで発信し、ターゲットであるティーンの隙間時間へのアプローチに成功した。

 審査員から高く評価されたチャレンジの裏側について、日本コカ・コーラの田村恵理奈氏、企画制作を担当した博報堂の櫛田直希氏に聞いた。
 

ティーンのクリエイティビティを刺激する企画が実現


――日本コカ・コーラが炭酸飲料「ファンタ」のキャンペーンで、「ファンタ坂学園」を企画した背景からお聞かせください。

田村 ファンタはティーンを中心に愛され続けているフルーツ炭酸飲料として、フルーティーなおいしさとポップな楽しさを提供しています。現代のティーンに「仲間と盛り上がれる」「楽しくなる」「クリエイティビティを引き出す」「遊びゴコロがある」という価値を提供していきたいと考えていました。

この世代、試験や部活、友人関係など様々な外的要因からストレスを受けているんです。そこで、ティーンを応援するファンタとしては、そんなストレスを笑い飛ばせるような楽しいムーブメントを提供する存在でありたいと思っています。
 
日本コカ・コーラ マーケティング本部 IMC コンテントエクセレンス マネージャー 田村恵理奈氏

 とはいえ、ファンタには、2つの課題がありました。ひとつは直近フルーツ炭酸飲料市場がダウントレンドにあること。もうひとつは、テレビCMなどマス的なコミュニケーションが響かないティーンに、どうやって我われのメッセージを伝えていくかになります。

 この2つの課題を解決すべくティーンのインサイトを紐解いて誕生したのが、「変顔ボトル」「ぶっちゃけボトル」「ものまねゲームボトル」です。変顔ボトルは、顔にボトルをかざすだけで変顔になるなど、ティーンたちの間で楽しいコミュニケーションを生む企画です。
 
ぶっちゃけボトル、ものまねゲームボトル

 さらにファンタとティーンとのエンゲージメントを深めるために、彼ら彼女らが重要視している等身大の“友達とのスクールタイム”を描く狙いで「ファンタ坂学園」をつくり、年間を通して発信できるプラットフォームとして、ファンタとして初めてのキャンペーン専用アカウントをInstagramに開設しました。

櫛田 メインターゲットである10代後半の「ハイティーン世代」には、バズムービーなど手が込んだ話題になる映像だけが届いていた数年前とは異なり、今はちょっとした数秒間の隙間時間で見ることができるような、カジュアルな動画コンテンツにもアプローチのチャンスが生まれています。

さらに、ブランドとしての大事な価値である「友だちとの間にファンタがあることで、学校生活をどう楽しくできるか」を考えたとき、スマートフォンを使って、動画を撮って投稿するというアクションこそが、今のティーン世代にとっては一番身近で、メジャーな「遊び」になっていることに着目しました。

そこから、顔にかざす・はずすという簡単なアクションだけで、“動画撮影遊び”で映える、ファンタのボトルで、学生役である乃木坂46のメンバーに遊んでもらう。そして、まるで等身大の学生たちの投稿のようなリアリティを意識したinstgramストーリーズの動画を通じて、「何気ない休み時間や放課後にファンタの変顔ボトルがあったら、仲間内で誰かがふざけはじめるかもしれない」というような、遊びや会話の広がりの可能性を感じてもらおうと企画したんです。
 
博報堂 第二クリエイティブ局 アクティベーションディレクター 櫛田直希氏

――企画がスタートしてから、どのような反響がありましたか?

櫛田 アカウント開設以降、ほぼ毎日動画や写真をアップしていたのですが、実際にその日に誕生日を迎えるメンバーを、学園内でお祝いしている様子の投稿をするなど、ファンタ坂学園という架空の学園生活でありながらも、リアルな日付けと連動した投稿内容にはリアクションがつきやすかったです。ストーリー投稿は1日で消えてしまうため、インスタから派生し、Twitterでも転載されるなど、毎投稿ごとに二次派生的なシェアが生まれていました。

他にも、試験時期には試験勉強ネタを投稿するなど、彼らが直面する学校生活シーンに合わせた投稿を意識したりなど、細かい工夫の積み重ねで、コンテンツに対する総リアクション数を伸ばしていきたいと考えながら運用していました。

田村 そうですね。あとは、今回は年間を通したコミュニケーションにするため、それぞれのボトルのデザインもティーンのシーズナリティに合わせたところ、シチュエーションに合わせて複数購入したというコメントもいただき、たくさんつくった甲斐があったな、と。

例えば、春は新学期のタイミングなので、ファンタが新しい友だちや、新たな環境に慣れる手助けになれるようにという思いを込めて、ボトルをかざすだけで自分のキャラクターが出せるパッケージを考えたり。

櫛田 はい、春のテーマは「友達との距離を縮めるキッカケ」でした。夏はすでに仲良しグループができている季節なので“ぶっちゃけ!”による「仲良しグループの内輪ネタのキッカケ」、秋冬はハロウィーンなどのパーティシーンで選んでもらえるように「ファンタでパーティ!のキッカケ」になれるようパッケージを企画しました。

あとは、我われから「こういう風に遊んでください」と決まった使い方を設定しすぎず、遊びの余白を可能な限り広げるような見本を見せていくことで、彼ら彼女らのクリエイティビティを引き出していけるように気をつけていました。例えば、変顔ボトルでも、もし友だちとあえて同じ種類の変顔ボトルを買って一緒に顔に当てると、それは変顔というよりも“みんなでお揃い!”という遊びに変換できるよね、とか。

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