「セブンがやらないことをやる」ファミリーマート 澤田貴司社長が明かす躍進の一手

店舗のメディアとしての価値を高めていく 

足立　ファミリーマートでしか手に入らない、魅力ある商品をつくっていくということですね。

澤田　そうですね。あとは、メディアとしての店舗の価値をさらに高めていきたいと思っています。例えば、音楽プロデューサーの今井了介さん（編集部注：リオデジャネイロオリンピックNHK公式テーマソング「Hero」＜安室奈美恵＞ の作詞・作曲・プロデュースや、ラグビーワールドカップ2019のNHK公式テーマソング「ECHO」＜Little Glee Monster＞の作詞・作曲などを手がける）とともにファミリーマートの店内放送を整理して、メディアとして販売し始めました。店舗において、効果的なメディアとして提供できるものは、まだまだたくさんあると思います。

足立　私もマクドナルド時代、スマートフォンアプリのトップページや、トレーマットといったメディアの活用に携わっていました。トレーマットは1日200万人近くが見るメディアとして、ニーズは非常に高かったですね。

澤田　店舗で実際にご購入いただいている客数が1日に約1500万人いらっしゃいますから、メディア接触＝来店する人はその2～3倍はいるはず。「ファミペイ」は2019年12月現在400万ダウンロードですが、2020年中に1000万ダウンロードを目指しています。

足立　「店舗を持つ情報産業」は、コンビニ業界の未来を占う、新しいビジネスモデルだと思います。店舗を含めた顧客接点で得られたデータを基に、商品・サービスの企画開発、販売を行うビジネスモデルへの転換――そちらに向けて、すでに舵は切っているのでしょうか。

澤田　2020年度に本格化するための組織改革を、今まさに進めているところです。大胆に変わっていくと思いますよ。かつて、ユニクロが現在のような情報製造小売業になるなんて、一体誰が想像したでしょう？

ファミリーマートもすごい企業になりますよ。地域に異常密着し、今だけ・ここだけの魅力的な商品が次々と登場し、斬新なコミュニケーションが展開され、金融サービスにも参入する。いわゆる従来の「コンビニ」とは、まったく異なるものになっていくと思います。

足立　今後のファミリーマートの展開を楽しみにしています。

澤田　本日はありがとうございました。全社員を挙げてさまざまな改革を推し進めていますが、お取引先様はじめいろいろな方々の力を借りながら、もっともっと面白い仕掛けをしていきたいと思っています。皆さま、今後もぜひファミリーマートをよろしくお願いします！

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