マーケティングアジェンダ2020
USJ再建の森岡毅氏、マーケティングアジェンダ2020に登壇決定。聞き手は吉野家 伊東正明氏
2020/02/21
独自メソッドで企業の再生に挑む森岡氏が登場
2020年10月7日から9日にかけて沖縄県・読谷村(ロイヤルホテル沖縄残波岬)で開催されるマーケティングをテーマにしたカンファレンス「マーケティングアジェンダ2020(主催:ナノベーション)」のキーノートに、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)をV字回復に導いた戦略家・マーケターの森岡毅氏が登壇する。
森岡氏は高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出すノウハウ、マーケティング理論など、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化し「森岡メソッド」を開発。経営危機にあったUSJに導入し、数年で経営再建をしたことで知られている。
今回のキーノートでは、聞き手を吉野家 常務取締役の伊東正明氏が務める。森岡氏と伊東氏はP&G時代の同期になる。
「マーケティングアジェンダ」は国内外のブランド企業などトップマーケターが集結する合宿形式のカンファレンスで、今回が4回目の開催。マーケティングコミュニケーション領域において、企業が直面している課題を3泊4日でディスカッションし解決策を導き出しながら、業界を超えてネットワーキングを深めていく。
森岡 毅氏&伊東正明氏 マーケティングアジェンダに寄せて
森岡毅氏
刀 代表取締役CEO1972年生まれ。神戸大学卒業後、1996年P&G入社。ブランドマネージャーとして日本ヴィダルサスーンの黄金期を築いた後、2004年P&G世界本社(米国シンシナティ)へ転籍、北米パンテーンのブランドマネージャー、ヘアケアカテゴリー アソシエイトマーケティングディレクター、ウエラジャパン副代表を経て、2010年USJ入社。2012年、同社CMO、執行役員に。USJ再建の使命完了後の2017年、マーケティング精鋭集団「株式会社刀」設立。「マーケティングで日本を元気に」という大義の下、刀の精鋭チームを率い、「丸亀製麺」の協業開始後わずか半年で業績回復、破綻した旧グリーンピア三木(現ネスタリゾート神戸)をわずか1年でV字回復させるなど、早くも抜群の実績を上げている。USJ時代に断念した沖縄テーマパーク構想に再び着手し注目を集める。
刀 代表取締役CEO1972年生まれ。神戸大学卒業後、1996年P&G入社。ブランドマネージャーとして日本ヴィダルサスーンの黄金期を築いた後、2004年P&G世界本社(米国シンシナティ)へ転籍、北米パンテーンのブランドマネージャー、ヘアケアカテゴリー アソシエイトマーケティングディレクター、ウエラジャパン副代表を経て、2010年USJ入社。2012年、同社CMO、執行役員に。USJ再建の使命完了後の2017年、マーケティング精鋭集団「株式会社刀」設立。「マーケティングで日本を元気に」という大義の下、刀の精鋭チームを率い、「丸亀製麺」の協業開始後わずか半年で業績回復、破綻した旧グリーンピア三木(現ネスタリゾート神戸)をわずか1年でV字回復させるなど、早くも抜群の実績を上げている。USJ時代に断念した沖縄テーマパーク構想に再び着手し注目を集める。
私の得意なことのひとつに、様々な施策の成否の確率を事前にそれなりに予見できるという「数学マーケティング」があります。戦う前に勝てる戦(いくさ)を探すのに実に便利です。しかしながら、その確率計算も、強い戦略オプション、仮説と言いましょうか、それが無ければほとんど無意味です。つまり戦略家として、いかに強力な勝ち筋の仮説を見つけられるのか、ということが本質だと言い切れるでしょう。
では、消費者が自社ブランドを選択する確率をいかに高めるのか? おかげさまで私はこれまで様々な商品カテゴリーで顕著な結果を出すことができましたが、その戦略を生み出す法則はカテゴリーに関係なく全く同じだと確信しています。仮説を生み出す最も大切なベースとなるのは、常に本質的欲求を洞察するための深い消費者理解です。どれだけ忙しくても、もし消費者理解に時間を投資出来ないならマーケターの資格すらないと私は自らの退路を絶ってコミットしています。
例えば、USJでエンターテインメントをしていた時には、ファンが呆れるほどワンピースをボロボロになるまで読み込み、ゲームオタクがドン引きするほどモンハンを徹底的にやりこんで考えるのです。このIPのどこをどう切り取れば、ファンたちを感動させる確率が上がるのかを…。
また最近では、ネスタリゾート神戸(旧グリーピア三木)を経営再建させましたが、あの時にも大自然しかないネスタに集客するための切口を探すのに必死になりました。そのために何度も何度も山に籠って大自然と人間の本能の刺激について徹底的に研究したのです。テントと釣竿で山に籠り、アマゴを釣って飢えと戦いながら何日も考える。しまいには山で遊ぶプロである猟師の皆さんの知恵から学ぶために、私自身が狩猟免許を取ってお仲間の猟師になり、銃や罠で獣を殺してその肉を喰いながらひたすら考えたのです。山しかない場所で現代人の心を震わせる興奮をどう創れば良いのかを…。
私のやり方は、極端過ぎるとか、もはや狂気だとかよく言われます。しかし私は単に消費者の真似事をして彼らと同化しているのではないのです。私が知りたいのは、人の本質的な欲求が何によってどのようにトリガーされるのかという構造そのもの。そしてそのメカニズムをどう操作すれば自社ブランドが選ばれる確率を高めることができそうかという仮説。そしてここが大事なのですが、ブレイクスルーな仮説は、消費者の今の欲求よりむしろ、同じベクトルの延長線上、しかし消費者すらも想像できていないちょっと先にあることが多いということ。そのポイントについてもう少し詳しくお話ししようと思います…。
伊東正明氏
吉野家 常務取締役P&Gにてジョイ、アリエールなどのブランド再生や、グローバルファブリーズチームのマーケティング責任者をアメリカ・スイスにて担当。ヴァイスプレジデントとしてアジアパシフィックのホームケア、オーラルケア事業責任者、e-business責任者を歴任。2018年1月より独立、ビジネスコンサルタント。また、吉野家 常務取締役も務めている。
吉野家 常務取締役P&Gにてジョイ、アリエールなどのブランド再生や、グローバルファブリーズチームのマーケティング責任者をアメリカ・スイスにて担当。ヴァイスプレジデントとしてアジアパシフィックのホームケア、オーラルケア事業責任者、e-business責任者を歴任。2018年1月より独立、ビジネスコンサルタント。また、吉野家 常務取締役も務めている。
P&G時代の同期で、私の「釣りの師匠」である森岡さん。彼は私から見れば完全に「ド変人」。一般人とは到底呼べない彼が、なぜこれほど多くの人の心を揺さぶる施策がつくれるのか? 日用消費財、USJ、丸亀製麺、さらには金融商品など、あらゆる産業で人の心を理解し勝ち続ける森岡流の「人の本質的欲求」を捉える、彼の術を解き明かしていきたいと思います。
開催概要
- 名称:
- マーケティングアジェンダ 2020
- 日時:
- 2020年10月7日-9日 <3泊4日>
- 会場:
- ロイヤルホテル沖縄残波岬(沖縄)と周辺施設
- 参加者:
- 招待枠 200名、パートナー枠 200名
- 参加方法:
- ブランド枠(招待枠)、パートナー枠(参加費:48万円)
- 主催:
- ナノベーション
- 特別協力:
- アジェンダノート