ダイレクトアジェンダ2020 #01

ダイレクトマーケティングのトップランナーが語る「広告離れ」と「商品原価アップ」という傾向

 

向こう3年間のミッション「リアル/デジタルを融合し、顧客のLTVを向上」


西井 最後に、今後3年間を見据えて、「いま自社に足りていないこと」「これから取り組んでいくべきこと」について一言ずつお聞かせください。

長谷川 
今後3年間は「融合」の時代だと思います。オンラインとオフラインだけでなく、メディアとサービス、アプリとWeb、広告とコンテンツなど、あらゆるものの境目がなくなり融合していきます。

冒頭、ECサイトを分類するのが難しいという話も出ましたよね。そうした融合がダイナミックに進んでいく中、環境や手法の変化に左右されず、お客さまと向き合い続けられるブランドが生き残るのでしょうね。



藤原 3年前と比べ、オンラインでもオフラインでも、多種多様かつ膨大なデータが取得できるようになってきました。こうした中、「うちは○○屋です」と特定の事業の枠組みにとらわれる必要は、もはやないと思います。

例えばコメ兵なら、商品買取の経験を活かし、レンディングサービスを提供するファイナンス業ができるかもしれない。データ活用によって、既存事業とはまったく異なる領域に参入することができるんです。

これまでは、事業を立ち上げて軌道に乗せるには5~10年かかると言われてきましたが、テクノロジーが急速に発展する今、事業の立ち上げスピードもぐっと早めることができると思います。

児玉 これからのビジネスは、LTV向上をゴールに掲げたサービス設計、マーケティング施策が基本だと考えています。一人ひとりのお客さまと密につながり、良い体験をいくつも共にすることを通じて、良い関係をつくっていきたいですね。

森 
インターネット業界、ダイレクトマーケティング業界は、これまで「デジタルマーケティングをどうハックするか」でしのぎを削ってきました。しかし、いよいよインターネット上が“渋滞”してきたなという印象です。

新しい媒体が登場しない限り、これ以上ハックできないところまで来たと思います。デジタルに傾倒しすぎず、ほかのチャネルを開拓していくこと。デジタルありきだけれど、デジタルを主戦場にしないこと。それが、3年後に向けて今から心がけ、取り組むべきことだと思います。

西井 
4年間同じフォーマットで講演資料をつくってきましたが、長谷川さんもおっしゃるとおり、これからは「融合」の時代。

次回はつくり直さなければと強く認識したところで、このセッションを締めくくりたいと思います。ありがとうございました。

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