SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2020 #01
消費行動は「BUY」から「VOTE」へ。佐藤夏生、山口有希子、リュウシーチャウが語るマーケティング
2020/12/07
「新しいことに、ノーと言わない」
長田 それでは次のキーワード「Never say no to new things」について、シーチャウさんからご説明いただけますか?
シーチャウ 意味は「新しいことに、ノーと言わない」です。新しいこと、自分の知らないことは沢山あるから、分からないことにも1回はトライしてみる。失敗したら失敗したで何が得られるだろうかと考えています。私、新しいことに対しては、結構なイエスマンです(笑)。
山口 これは、すごく重要なことだと思います。なぜなら、マーケティング手法はものすごい早さで変わり、追いつくのが大変だからです。特にデジタル領域はトライ&エラーの高速回転。そのため、アジャイルカルチャーを持っていないと知見が積み重なっていかないというのは重要なポイントです。グローバルのマーケターも同じようなことを言っています。
佐藤 その話で言うと、これからの時代、「朝令暮改」がグッドビジネスマンのコンピテンシーかもしれないと思っています。僕が子どもの頃は、悪い言葉として習いましたが、いまはトップが「朝令暮改」でないと上手くいかなくなっています。逆に「初志貫徹」にこだわり過ぎると、今のマーケティングでは負けてしまう。
「朝令暮改」を英訳すると、PDCAではないかと思うんです。Purposeには一貫性を持ちながらも、マーケティングはどんどん回していく。それが必要なことだと思います。
シーチャウ そうですね、フレキシビリティがとても大事です。何か違うことがあったときに軌道修正したり、問題解決したりする能力があるからこそ人が必要で、同じことをやり続けるだけならば必要ないはず。
なので、私のチームでも、長く続けていることを根本から見直したり、新しいことにみんなでチャレンジするようにしているんです。
山口 「日に新た」(パナソニック創業者 松下幸之助氏)という言葉もありますが、世の中は常に変化するのだから、自分たちの考えもアップデートしないと、ついていけなくなります。だから、マーケティングのHOWの部分は、どんどん挑戦していくべきですよね。そうしなければ、ブランドも古臭いものになってしまいますから。
佐藤 ブランディングの仕事をしていると「ブランドを守る」という言い方が出てきますが、それはあまり適していないですよね。常に動いて攻めていかないといけないんだから。マーケティングの仕事は「チェンジ」ですよね。