菅野勇太のB2Bセールス塾 #02

発注者が明かす、コンペで「勝たせたい提案」の条件【LIFULL菅野勇太】

前回の記事:
「菅野勇太のB2Bセールス塾」開講、コンペに勝つ!受注率を高める!決裁者の視点を伝授
 BtoBのクラウドサービスの増加もあり、法人を対象にしたBtoB企業のセールス活動が重要になっています。しかし、このセールスにおいて、成果を出せる人と、そうでない人に分かれてしまうのも事実です。この差分は、何から生まれるのでしょうか?

その差分とそれを埋めるための方法について、具体的な事例をもとに教える「菅野勇太のB2Bセールス塾」が4月から始まります。それに向けて、日本国内初となるマーケティングオートメーション導入や、オンライン広告のインハウス化を手がけてきたLIFULLのマーケティングマネージャーの菅野勇太氏が発注したいと思う提案の条件について語ります。
 

発注者として抱いていた引け目


 BtoBセールスを担う皆さんは、提案で失注した際、「ダメだった理由」をどこまでフィードバックされているだろうか。本質的で的確なフィードバックを、常にもらえているとは言い難いのではないか。

 実のところ、提案を受ける側の発注者も、なぜこの提案がダメなのか、それを体系的に説明できていないことが多い。私がそう思ったのは、先日、個人的にBtoB業界のトッププレイヤーに向けた勉強会を開く機会をいただいたことがきっかけだった。

 引き受けた以上、中途半端な内容にはできない。発注者側の視点を考慮し、決裁に必要な提案のポイントを体系的で再現性のあるフレームワークとしてまとめる必要があった。準備を進めるうちに、私自身、これまで提案を受ける側として、その基準が実に曖昧であったことに気がついた。また、その胸の内を提案してくれる側には開示してこなかったことを反省した。

 曖昧な基準を、そもそも自分でもうまく言い表せないこともあるが、手の内を明かす感じで、ひとたび開示すれば、コンペでは平等性を担保するため参加企業全員に説明しなければならないことが億劫だった。また、「なんだ、そんなことか」と、相手を落胆させるかもしれないという臆病さもあった。

 一方で、自分がどう判断するかを正確に伝えないことは、なにかアンフェアな状況を生み出しているような気がして、ちょっとした後ろめたさもあった。

 そんな自分の中の複雑な思いは、勉強会の準備を進めるにつれ徐々に紐解かれ、体系的に整理されていった。

 そして勉強会を実施すると、とても感謝された。それは素直に嬉しいことだった。日々提案をくださるパートナーへの恩返しができたような気がして、胸につっかえていた、ちょっとした引け目も解消できた。

 今回の寄稿では、この勉強会でお話しした内容の中から、一部を取り上げて紹介したい。
 
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機会損失を生むプロダクトアウトな提案


 長年、発注者、決裁者をやっていると、日々1000本ノックのようにあらゆる角度から提案をいただく。そうすると、最初の5分で冷めるか、引き込まれるかがなんとなく見えてくるようになる。何がその差分なのか。いくつかの要素を挙げることができる。

 まず、自分ごととして聞こえてこないこと。相互理解なきプロダクトアウトな提案は、だいたいこのパターンだ。

 私の頭の中は、日々向き合う市場(私の場合は不動産業界)の課題と、それに立ち向かう自社の理念や戦略的なキーワードで埋め尽くされている。ここに、唐突に「何かに使えそうだが、よく分からないソリューション」の情報がなだれ込んでくる。

 世間一般に流行しているマーケティング用語が並べば並ぶほど、既視感に囚われてしまい、「これはもう検討した」と判を押してしまう。怠惰なことではあるが、目の前に提示されている何かのソリューションと、自分の中のさまざまな課題とを結びつける作業が億劫なのだ。だから早い段階から無意識に、「持ち帰らせていただきます」と口から出てしまう。

 事前の相互理解があれば、結果は違ってくるはずだ。この見えにくい機会損失は、実はとても多い。

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