Road to ダイレクトアジェンダ2021 #01

「コロナ禍、人とのつながりで得られる価値」オイシックス 西井敏恭、FABRIC TOKYO 森雄一郎【ダイレクトアジェンダ事前対談】

 2021年7月1日からベルサール汐留(東京)で開かれる「ダイレクトアジェンダ2021」は、通販・直販事業に携わるトップマーケターが集結し、2泊3日で行う合宿型カンファレンスです。最先端の知識を得る座学だけではなく、ネットワーキングを重要視しており、毎年多くの人とのつながりを生み出し、参加企業のビジネス成長を支援しています。

本企画では、「ダイレクトアジェンダ2021」開催に向けて、注目すべきテーマや参加企業へのメッセージ、初参加でも楽しめる心構えなどを3回にわたってお届けします。初回はダイレクトアジェンダのカウンシルメンバーの2人、オイシックス・ラ・大地 執行役員 CMTの西井敏恭氏と、FABRIC TOKYO代表取締役社長の森雄一郎氏が登場。初回となる2017年から毎年欠かさず参加している西井氏と昨年初参加の森氏が、ダイレクトアジェンダで何を学ぶことができるのか、有意義な時間にするためのポイント、当日聞くことができるオープニングキーノートの先出し情報をお届けします。
 

企業のオンラインシフトが加速した一年


西井 森さんがFABRIC TOKYOを設立されてどのくらい経ちましたか。
 
西井 敏恭氏
オイシックス・ラ・大地
執行役員 CMT(Chief Marketing Technologist)

森 気づけば、丸7年経ちましたね。

西井 7年の中でも、特にここ1、2年はコロナで状況が大きく変わったと思います。それも踏まえて、ダイレクトマーケティングの傾向をどのように考えていますか。

森 以前の「刈り取り型のマーケティング」とは異なり、今いる顧客を大事にする「LTV重視型」の考え方が非常に大事になっている印象です。

最近では好感度の高いマーケティング手法が増え、どのようにファンの熱量を上げてエンゲージメントを高めていくかという話が主流になってきていると思います。
 
森 雄一郎氏
FABRIC TOKYO
代表取締役社長

西井 たしかに1回目のダイレクトアジェンダが開催された2017年頃は、マーケティング施策というと、ほとんど「広告」の話ばかりが語られていたと記憶しています。

それが昨年に入ってから、「広告施策は、ほぼ活用していない」という声が聞こえはじめ、SNSを使って顧客とのエンゲージメントをどう高めるかに注目が高まっていると感じました。

 これまではフォロワー数やチャンネル登録数などが重要視される傾向がありましたが、ここ2、3年はフォロワー数が少なくてもエンゲージメントの高さに価値があるという思考に変わってきていますよね。

西井 マーケティングが「刈り取り型」から「LTV重視型」にシフトしている理由は、何だと思いますか。

 やはり以前よりも、データで顧客が可視化しやすくなったからだと思います。データから刈り取りを重視した広告が意外と販売に結びついていないことや、LTVの低い顧客の傾向が見えてきました。それによって、施策の見直しができたのではないでしょうか。

西井 オフライン中心で取り組みをしてきた企業も徐々にオンラインのeコマースに参入しています。そして、従来のeコマースはあくまで「売り場のひとつ」という考え方でしたが、この数年でその使われ方が明らかに変わった気がしています。FABRIC TOKYOの場合、顧客との最初の接点は店舗とECのどちらが多いのでしょうか。

 オーダーメイドスーツは採寸が必要になるので、最初は店舗に来店してもらうのですが、リピーターのほとんどは、オンラインでスーツを購入しています。オフラインで顧客情報を獲得し、その後オンライン購買履歴などとあわせてデータ化し、販促に活用する流れです。

西井 オフラインとオンラインのデータ連携が可能になってきた点も大きな変化ですよね。CRMの考え方自体も少し変わってきたと思うのですが、どうですしょうか?     

 そうですね。ID連携が進んだことで、どこのチャネルで獲得したお客さまがどのタイミングで何を買っているか、そして継続して購入する意向があるかどうかまで捉えられるようになりました。データドリブンに関して現場の理解が進んだことも大きいと考えています。          

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