Road to ダイレクトアジェンダ2021 #03

ECサイトは最大の顧客接点、コロナ禍で挑戦した実店舗に近いデジタル体験 アスクル 輿水氏、アダストリア 田中氏【ダイレクトアジェンダ事前対談】

 

ダイレクトアジェンダは自社にないノウハウを得る場


輿水 企業が変化にどう対応したのか、そして顧客もどう変化したのか、そうした情報交換もできる場がダイレクトマーケティングをテーマにした合宿型カンファレンス「ダイレクトアジェンダ」です。

田中さんは、「ダイレクトアジェンダ」に初めて参加されるということですが、どのような人との出会いや交流を期待されていますか。

田中 多くの人とお話しできればと思います。ビジネス的に言うと、既存事業をどう伸ばすかという視点で大きく2つの領域に興味を持っています。ひとつはパーソナライズの領域です。私自身も消費者としてできることなら自分に合った商品を企業には厳選して提案してほしいですし、そのようなコミュニケーション設計ができるサイトが優れていると思います。

数値を見ても、パーソナライズ化された情報は母数こそ少ないものの、CTR(Click Through Rate:クリック率)が高いことは目に見えています。それをアルゴリズム的にも、サイト設計的にも、配信ソリューション的にも数百万人が動く規模のサイトで一緒に取り組んでもらえるパートナーの話や、そのようなツールに興味があります。

2つ目は技術革新です。最近は、デジタルアートもブロックチェーン技術で何十億の価値で販売されるようになっています。今までの概念を変えるものが、どんどん出てくると思います。そういった技術を持ち合わせていたり、そんな未来を描いて実行しているパートナーとの出会いを期待しています。

輿水 パーソナライズは我われも頑張っていかなければと思う領域で、まだまだ可能性があるなと思っています。
 

田中 そうなんですよ!

輿水 いまはまだ、すご腕の販売スタッフが顧客ニーズに合わせて商品を販売した方が、デジタル化するよりも優勢だと思います。その辺りも、まだまだ改善の余地がりますね。

田中 パーソナライズについては、顧客が満足できるサービスと商品を提供してきましたという自負があります。しかし、まだ我われは最新のテクノロジーに追いついていないと感じています。そういった点についてアドバイスしてくれる参加者がいると面白いですね。
 

輿水 このようなカンファレンスに参加すると、同業の方とも話せるので非常に勉強になります。そして、多くのパートナーさんとまとめて話ができるいい機会です。こういったご時世だと「飲みに行こう」と気軽に誘えませんし、2泊3日に詰め込んで情報交換できる良いタイミングです。

田中 そうですね。重要なのは情報なので、すごい楽しみです。
 

新たな挑戦のための土台作りを怠らない


輿水 今回、西井さんと一緒にキーノートセッションに登壇されますが、テーマである「今後3年間でどう変化していくのか」について、詳細は本番でお聞きするとして、頭出しだけ少しお話しいただけますか。

田中 新しいことばかりを考えても仕方ないと思うタイプですが、現状のビジネスと会社の強みを捉えて磨くことを前提に、新たなチャレンジを掛け算していくと、最終的にその企業にとって良いモノが生まれると思っています。既存施策で必要なアイデアと、新たなアイデアを融合したいなと思っています。

我われもECで商品を販売して、その対価としてお金をいただいています。今後、この売買の関係値が複数領域に分かれていきます。それは、プロダクトではなく、関係をつくる「サービス」かもしれませんし、サブスクリプションモデルかもしれません。

そうした新しい展開のためにも、いまの基盤をいい状態に整えないと掛け算ができないのです。こういったお話ができたらいいなと考えています。

輿水 ダイレクトアジェンダのキーノートセッションは、参加者の中で最も評価が高いコンテンツです。EC業界の最前線で活躍されている方が忖度なしに話ができるので、同じ事業者としては「なるほど、そういう視点があったか」と納得することが多くて、毎回とても楽しみにしています。

田中 プレッシャーですね(笑)。皆さんのお話からも勉強させてもらい、私も少しでもアイデアを提供できたらと思っています。

輿水 では、そろそろ最後になりますが、「ダイレクトアジェンダ」は3~4割の方が初参加の方なので、初めてでも有意義に過ごしていただけるようなアドバイスがあれば、お願いします。

田中 私も初めてダイレクトアジェンダに参加するので、たくさんの方の話を聞き、たくさん吸収して、自分に変換すると、どんな答えが導き出されるか考えるのが楽しみです。

こういったイベントは知識の取得も重要ですが、人との出会いが重要だと思っています。輿水さんともこのようなイベントで出会いの機会をいただき、「久しぶりですね」と話せる関係ができました。

会社内にこもっていたら、出会いはできません。デジタルの時代と言われるからこそ、人とつながる価値が改めて重要な時代になったと思うのです。出会いと人脈、その後の中長期的な情報交換できる関係値が財産になるので、多くの方と話して有意義な時間を過ごして欲しいです。

輿水 ありがとうございます。私も田中さんがおっしゃる通りで、ネットワーキングに価値があると思っています。「ダイレクトアジェンダ」は、数百人の参加者と話して名刺交換ができる、単なるビジネスマッチングイベントではなく、同じ業界を盛り上げる仲間として同業者もパートナー側の方とも、業界をよくしていくために何ができるか、その先につながる話ができたらと思います。

田中 そこからビジネスにつながる可能性もあるので、技術やノウハウの共有など、人と人が直接会って話ができる機会を楽しみにしています。

輿水 田中さん、本日は色々お聞かせいただきありがとうございました。
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