カスタマーエンゲージメント研究会 #05Sponsored

三井住友カード、GDO、KINTO、ビームスが、カスタマーエンゲージメントの最新事例を公開 【研究会レポート】

 

スタッフの熱量が、エンゲージメントに大きく貢献


 最後に登壇したのは、今年44年目を迎えるアパレル企業のビームスだ。リアル店舗を中心に運営してきた同社は、新型コロナウイルスの感染拡大で2カ月間、店舗を閉鎖することになり、事業に大きな影響を受けた。その中で、執行役員 事業企画本部 コミュニティデザイン部 部長の矢嶋正明氏は、「当社は昨今ずっと『ヒト』に重きをおいて、お客さまとの接点をつくってきた」と語り、ビームスならではの取り組みを紹介した。
 
ビームス 執行役員 事業企画本部 コミュニティデザイン部 部長 矢嶋正明氏

 リアル店舗を閉鎖していた期間は、全社でECにシフト。その際に、通常時はリアル店舗で働く販売スタッフが自ら手を挙げる形で物流センターに出勤し、慣れないながらも毎日30~40人がECの出荷やカスタマーセンターのオペレーションを手伝った。

 その結果、ECにおける2020年3~10月期の売上は、前年同月比ですべて伸長。なかでも全国で最も自粛ムードが高まった4~5月は、2倍以上の売上を記録した。「リアル店舗のスタッフから『ECを止めない』という合言葉が聞かれたことが非常にうれしかった。当たり前のことではありますが、注文したものが通常通り届くということも、お客さまの信頼感をつくっていくために必要なことだと改めて感じました」(矢嶋氏)

 また、ビームスは数年前からブログや動画、スタイリングなどのコンテンツ発信を継続してきた。コロナ禍では、スタッフ一人ひとりがそうしたコンテンツを駆使して、積極的に情報を発信。その数は、2020年3~8月の6カ月間で、スタイリングの投稿は6万件以上、ブログは1万件以上、動画は5500件にものぼった。これらは売上にも大きく貢献しており、コンテンツ経由の売上は全体の7割を占めているという。

 店舗の営業再開後には多くの人が来店し、来店客側からスタッフに直接声を掛ける形で多くのコミュニケーションが生まれた。「カスタマーエンゲージメントの視点では、パーパスやコアコンピタンスに基づいたアプローチに、企業側の熱量もプラスすることが大切だと考えています」(矢嶋氏)





 4社の最新の取り組みが語られることで、カスタマーエンゲージメントに対する共通認識を高める機会となった。今後、さらに研究会を開催して議論を深めていく予定だ。
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