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住友商事が動画事業に本格参入、デジタルネイティブに響くコンテンツとは【AlphaBoat設立イベントレポート】
デジタルネイティブ世代に響く動画コンテンツ
後半では、「デジタルネイティブに響く動画コンテンツの条件」をテーマにしたパネルディスカッションが開催された。始めに、若年層のメディア接触の変化についての考えに言及。井上氏は、「テレビCMだけでは、若年層へのリーチが確実に不足し、逆に高年齢層にリーチしすぎている。そのため、デジタル施策を組み合わせてアプローチするかが重要。中でも、動画が態度変容を起こす上で、効率が良いことが調査から分かってきた」と評価した。
鈴木氏は、「従来、動画はテレビや映画をモデルに制作されてきた。しかし、スマートフォンの撮影機能の進化もあり、動画をスクリーンよりもスマートフォンで見る機会が増えた。それがデジタルネイティブ世代にとっての現実。縦型動画など僕らもその感覚に近いスタイルに変えていく必要がある」と語った。
では、どのようなコンテンツであれば、若年層やデジタルネイティブ世代に届くことができるのか。年間200本以上の動画を制作するパナソニックで、クリエイティブを担当する高須氏は、「企業の広告コンテンツである以上、ユーチューバーが純粋に制作した動画に勝つハードルは高い。そこで最近は、消費者に新しい気づきを与えられるような内容にこだわり、シェアしたくなる気持ちを喚起することを目指している」と話した。
一方で鈴木氏は、「企業側がブランディングを意識し過ぎると、ユニークなコンテンツは生まれにくい。それよりも、クリエイターの自由な発想を信じた方が面白いコンテンツができ、結果的に見てもらえる」と話した。
最後に、インターネット上に数あるコンテンツの中から、自社の動画を見てもらうための施策について紹介。高須氏は、「広告だけに頼るのではなく、ターゲット層に近く継続的につながっていけるプラットフォームの強化が大切」という見解を述べ、InstagramなどSNS運用でフォロワーを増やしていると紹介した。
これに、井上氏も同意。「当社もプラットフォーム上のデータを見ながら、ユーザーとのコミュニケーションに試行錯誤している。ただし、基本的にはターゲット層が見たいコンテンツをつくることが重要だと改めて考えている」と話した。
最後に鈴木氏も、「動画のトーン&マナーだけでなく、ターゲット層に響くような伝え方がある。コンテンツのクリエイティブそのものでターゲティングを行うことが、動画活用で最も面白い部分になる」と期待を述べた。
「VICE MEDIA JAPAN」との戦略的事業提携も発表
イベント後半は、立食形式のパーティの中、AlphaBoatがプロデュースする新たな展開が紹介された。ミレニアル世代をターゲットとしたグローバルメディア「VICE MEDIA」の日本法人である「VICE MEDIA JAPAN」と戦略的事業提携を発表。VICEのクリエイティブエージェンシー事業を担う「VIRTUE」のコンテンツ制作力とAlphaBoatのクリエイター視点を融合させた新たな映像制作サービスを提供する。
また、国内最大級オトナ女子向けライフスタイルアプリメディア「LOCARI(ロカリ)」との提携のほか、CMerTVと次世代動画ブランディング事業の拡大に向けた事業提携なども発表された。
AlphaBoatの新たな門出をさまざまな立場の参加者が祝福。設立イベントはブランド企業やパートナー企業、関係者など約220人が集まり、盛況のうちに幕を閉じた。
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