カスタマーエンゲージメント研究会 #7Sponsored

カスタマーエンゲージメントの先駆者たちが「新・評価指標」を議論【研究会レポート】

 

3チームに分かれ、評価方法やアンケート手法の課題点を議論

       
 事務局が提示した2案に対し、全15人のボードメンバーが3チームに分かれ、案①と案②のどちらがよりカスタマーエンゲージメントスコアに適しているか、それぞれの案に対する改善案や代替案を検討し、スコアの定義を設定した後に実施するPoC(概念検証)の実施方法などについても議論した。

■ゴルフダイジェスト・オンライン 志賀智之氏チーム
     

    
 ゴルフダイジェスト・オンライン 執行役員 CMO/CIOの志賀智之氏が代表するチームでは、「案①と案②のどちらも業態によって、合う・合わないがあるのではないか」という議論になったという。

 特に案②については、顧客行動がトラッキングしやすいWebサービスをメインとする業態では取り入れやすいが、リアルをメインとする業態では顧客行動が表面化しにくいため、取り入れるのは難しく、その場合はアンケートも併用する必要が出てくるという指摘があった。

 また、計測したCE値をビジネスに役立てるためには、具体的な改善や顧客行動に結びつけていく必要がある。そのため、ただCE値を計測するだけでなく、それをどのように運用するのかという設計もあわせて行うことが重要だという意見があった。

■アクティブ 藤原尚也氏チーム
    

           
 もうひとつ、アクティブ CEOの藤原尚也氏が代表するチームでは、案①の方向がいいのではという話にまとまったという。ただ、満足度は1~5の5段階ではなく、マイナス評価の1~5も含めた10段階にするのはどうか、という意見が上がった。

 これを前提にしたうえで、PoCの実現方法についても議論した。満足度はアクションごとに聞いた方がいいという話になったが、ひとつのアクションの範囲は各企業の提供サービスによって全く異なるという話になった。

 たとえば車のサブスクリプションサービス「KINTO」なら、最初の検討から購入までをひとつのステップとして、その時点での満足度から各顧客のCEを算出する。その後は3年、5年、7年といった契約更新のタイミングに向かって行うコミュニケーションの中で、これはというものに毎回10段階評価で満足度調査を入れ、その値を合計してひとりの顧客のCEを導く。

 ひとりの顧客が同じサービスを一定期間内に3回利用し、「1回目の満足度がプラス3」「2回目がマイナス3」「3回目がプラス1」だったとすれば、1~3回目の満足度の合計であるプラス1を期間内の総アクション数と掛けて、その顧客のCEになる。そして顧客ごとに算出したCEを総計して、その期間の総顧客数で割ることで、期間によるスコアの変化が総合的に見られるのではないかと考えた。

■Repro平田祐介氏チーム
    

       
 最後に、Repro 代表取締役 CEOの平田祐介氏が代表したチームでは、案①でPoCを行ったらどうか、という結論に達した。というのも、案①を検証すれば、自ずと案②の検証もできるため、最終的にどちらがLTVとの相関性が高いのかが比較できるなら、その方がいいのではという話になったという。

 ただ一番の課題は、アンケートを使って満足度を評価する場合、そもそも回答率が低くなるうえ、アンケートに応じてくれる人はもともとCEが高い傾向にあることだ。これらの対策をどうすべきかをメインの話題として、ディスカッションが行われた。

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